2001 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中神経伝達物質測定法の標準化に関する研究-特にストレスと唾液中神経伝達物質濃度との関連-
Project/Area Number |
13672425
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
下村 登規夫 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00216136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 文代 鳥取大学, 医学部, 教務職員 (50239498)
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Keywords | 唾液 / 神経伝達物質 / 基準値 / ストレス / 精神症状 / セロトニン / カテコールアミン |
Research Abstract |
本年度は健常者の基準値の設定を中心に行った.唾液採取の同意が得られた健常成人50例について検討を行った.健常成人について精神症状をself-rating questionnaire for depression(SRQ-D,筒井ら,1981年)を用いて評価した.測定した神経伝達物質はセロトニンおよびその代謝産物である5-hydroxyindole acetic acid(5-HIAA),カテコールアミンの代謝産物に加えてそれらの前駆体のアミノ酸であるトリプトファンについて検討した. 1)唾液の採取方法の確立 唾液の採取には唾液採取管(Salibette, Sarstedt社製)を用い,神経伝達物質を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した. 採取前の滅菌水による洗口の有無による神経伝達物質量を比較し,洗口が必要であると考えられた.採取した唾液を重量(時間あたりの分泌量)と液量の2つの方法で計測した結果,時間あたりの分泌量で評価するのが適切であると考えられた. 2)健常成人の基準値の設定 唾液の採取は午前中空腹時が最も安定しており,採取にあたっては洗口が必要であること,基準値の表示方法としては単位時間あたりの分泌量が適当であろうと考えられた. 3)疼痛性疾患における唾液中神経伝達物賛の変動 ストレスを有する慢性疼痛性疾患の片頭痛について唾液中セロトニン代謝産物を検討した結果,5-HIAAの減少を認め,治療により増加することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)