ヒト滑膜マクロファージ様細胞のエンドセリン、組織因子等サイトカインの産生と調節

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13672426
• Research Institution: Fukushima Medical University School of Medicine
• Principal Investigator: 吉田 浩 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90045683)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐藤 直人 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50347233) ; 長井 俊彦 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90180447) ; 今福 裕司 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (40254015)
• Keywords: 関節滑膜細胞 / マクロファージ様(A型)細胞 / エンドセリン / 抗リウマチ薬 / 関節液 / サイトカイン / アルカリフォスファターゼ / 関節リウマチ(RA)

Research Abstract

ヒト慢性関節炎症の進展機序解明のため、関節滑膜由来の培養細胞を用いて検討してきた。ヒト関節組織由来のマクロファージ様(A型)細胞がアルカリフォスファターゼ(ALP)やエンドセリン(ET-1)などのサイトカインを産生することを見出した。その他のサイトカインなどの23項目について細胞培養上清中の濃度をELISAにて測定した。検出されたものはET-1、IL-1、MMP-2および組織因子(TF)であった。他のILシリーズのサイトカインやMMP-3と9、IL-2R、INF、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼは検出されなかった。産生動態研究として、ET-1について、その産生に及ぼす種々薬剤の影響を検討した。プレドニゾロン(PSL)と免疫調整・抑制薬(メトトレキセート、金、スルピリン、ケトプロフェン、マイトマイシS(MMC)、エンドキサン)添加、24時間後のET-1はPSLとMMC群とで産生が増加した。他のサイトカイン(TNFα、IL-1α、IL-2、IL-4、IL-6)添加についても影響は少なかった。同一人から得られる線維芽様(B型)細胞の影響について共培養を行ったが、影響は少なかった。ヒト由来不活化線維芽細胞(理研より)の上清中にも少量ET-1が検出された。
関節リウマチ(RA)および変形性関節症(OA)患者関節液中のET-1濃度を測定したが、個人差が大で、RAとOAとの間に明らかな差を見出せなかった。以上からも関節炎症におけるのET-1意義は未だ明らかでない。

Research Products

• [Publications] 佐藤 直人 他: "ヒト関節滑膜細胞のEndothelin産生と抑制"日本臨床検査医学会. (2004年9月発表予定).
• [Publications] 佐藤 直人 他: "ヒト関節滑膜細胞によるET1産生とその測定"臨床病理. 50. 237 (2002)
• [Publications] Satoh, N., et al.: "Effects of drugs on ET-1 production by human synovial cultured cells"International workshop on Rheumatology(in第47回日本リウマチ学会). (補). 56 (2003)
• [Publications] Yoshida, H., et al.: "Cytokine production by human synovial cells"18th Int Cong Clin Chem Lab Med. 274 (2002)
• [Publications] Satoh, N., et al.: "Secretion of ALP from synoviocytes of RA patients"18th Int Cong Clin Chem Lab Med. 222 (2002)