2001 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアの視点からみた大腿骨頸部骨折患者のQOL指標の開発と評価
Project/Area Number |
13672449
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 悦子 名古屋大学, 医学部, 教授 (50135373)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久美子 名古屋大学, 医学部, 講師 (40259388)
|
Keywords | QOL / 大腿骨頸部骨折 / 在宅ケア |
Research Abstract |
本研究は要介護老人を生じる要因としての重要性が増しつつある大腿骨頸部骨折患者に着目し、特に生活要因としての身体活動性(ADL、IADL)と自己効力感や生活充足感(QOL)の維持過程を測定し、骨折患者の有効なQOL指標の開発を目的としている。 調査対象は、療養型病床を有する病院を退院した65歳以上の大腿骨頸部骨折患者75名と非骨折患者75名であり、現在両群で150名を把握している。このうち、施設入所、調査拒否、死亡等を除外した約100名に対して、入院前と退院後のIADL、QOL、生活要因(転倒経験、歩行能力、過去の骨折歴等)、社会参加状況、ソーシャルサポート等を測定した。今年度はこれらのデータベースを作成し、QOL指標、QOLに影響するIADL、社会参加状況、生活要因との関連を探った。QOLは、高齢者生活満足度測定に有用であるPGCモラールスケールを用いてその特性を検討した。骨折患者と非骨折患者の2群別にみた入院前と現在のIADLは差がなかったが、退院後のIADLでは骨折患者が非骨折患者に比較して有意に低かった。また、友人との交流や選挙に行く等の行動においては、骨折患者は非骨折患者に比べて有意に低かった。さらに、QOL指標のPGCモラールスケールでは、下位概念の孤独感において骨折患者は非骨折患者に比較してその割合が高い傾向にあった。従って社会参加活動等の要因も考慮し、孤独感の指標をさらに追求して検討し、骨折患者のQOL指標に加えていく必要性が示唆された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 梶田悦子, 吉田久美子, 広田直美, 西野治身: "骨折患者と非骨折患者の退院後におけるIADLとQOL"日本公衆衛生雑誌. 48・10. 657 (2001)
-
[Publications] 笠井恭子, 梶田悦子: "在宅高齢者の主観的健康感と痛みとの関連"富山医科薬科大学看護学会誌. 4・1. 13-21 (2001)
-
[Publications] 安部良, 中林美奈子, 梶田悦子, 成瀬優知: "家族介護者のショートステイサービス利用実態に関する調査"富山医科薬科大学看護学会誌. 4・1. 109-115 (2001)
-
[Publications] E kajita, N Hirota, N Maehata, Y Yamaguchi, M Oono: "IADL and QOL after leaving hospital in hip fracture and non-fracture patients"Abstracts Pan-Pacific Coference of ISOQOL. 84 (2001)
-
[Publications] E kajita, N Hirota, Y Moriguchi, M Seki, Y kibayashi: "Activity of daily living and quality of life in patients with and without Hip fracture"Abstracts 17th World Congress of the International Association of Gerontology. 47・S1. 600 (2001)