2002 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアの視点からみた大腿骨頸部骨折患者のQOL指標の開発と評価
Project/Area Number |
13672449
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 悦子 名古屋大学, 医学部, 教授 (50135373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久美子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40259388)
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Keywords | 大腿骨頸部骨折 / IADL / QOL / 自己効力感 |
Research Abstract |
高齢期の大腿骨頸部骨折は,骨折による機能低下などにより,ADLの自立が遅延しQOLを大きく損なう。本研究は65歳以上の大腿骨頸部骨折を起こした高齢者を対象に、骨折予防のための構成要素を明らかにし、これらから骨折予防のためのQOL指標を開発・評価することを目的とする。対象は大腿骨頸部骨折患者の高齢者102名のうち,死亡,痴呆等による認知障害,調査拒否,転居,所在不明を除外した38名を分析対象とした。対象者には質問紙郵送法により通知し,回答を求めた。対象者には書面により本調査の目的,効果等詳細な説明を行い,承諾書を得た。調査内容は、基本属性、主観的健康感、転倒の有無と転倒回数,転倒場所,転倒原因,現在のIADL、主観的幸福感(PGCスケール),自己効力感,社会参加の有無等を聞き取った。平均年齢は82.5±7.1歳,年齢範囲は67〜92歳であった。退院後年数は,1年未満6.7%,1〜3年93.3%であった。現在の暮らし場所は,自宅29名,その他9名であった。主観的健康感を良好群と不良群の2群に分類し,各スコアを比較したその結果,主観的健康感良好群は不良群に比較して,IADLスコア,PGCスコア,自己効力感スコアはいずれも有意に高かった(P<0.05)。さらに自己効力感を良好群と不良群の2群に分類し,各スコアを比較した。その結果,自己効力感良好群は不良群に比較して,IADLスコア、PGCスコアは有意に高かった(P<0.05)。さらに,骨折患者の自己効力感に対する日常生活因子,健康感,幸福感の複合影響を検討した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 笠井恭子, 梶田悦子: "在宅高齢者の主観的健康感と治療疾患との関連"福井県立大学論集. 20号. 43-51 (2002)
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[Publications] 江藤真紀, 中谷芳美, 松原勇, 梶田悦子 他: "地域高齢者の社会参加と転倒経験との関連"日本公衆衛生学会誌,特別付録. 49・10. 753 (2002)
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[Publications] 中谷芳美, 松原勇, 関根道和, 鏡森定信, 梶田悦子: "地域住民のQOLを高める要因の検討"日本公衆衛生学会誌,特別付録. 49・10. 429 (2002)
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[Publications] 森山悦子, 梶田悦子: "在宅療養者の身体活動量に影響を及ぼす要因の検討"福井県立大学論集. 22号. 87-103 (2003)
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[Publications] M Iki, Y Sato, Y Dohi, E Kajita, et al.: "Greater Trunk Muscle Torque Reduces Postmenopausal Bone Loss at the Spine Independently of Age, Body Size, and Vitamin D Receptor Genotipe in Japanese Women"Calcif Tissue Int.. 71. 300-307 (2003)