2003 Fiscal Year Annual Research Report
介護サービスの質の改善-訪問看護利用者の顧客満足と提供者職務満足の互酬性
Project/Area Number |
13672461
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
波多野 浩道 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50164851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 慎平 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80363612)
徳永 淳也 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 講師 (30343370)
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Keywords | 介護サービス / 顧客満足 / 職務満足 / 互酬性 / 訪問看護 / 質の改善 |
Research Abstract |
顧客満足と職務満足の互酬性に関する説明モデルを構築し、看護管理学的観点から介入方法を検討した。 モデル構築のため、顧客満足の内部構造を分析した。その結果、訪問看護婦から直接サービスを受ける利用者本人は、訪問看護婦の職務に取り組む姿勢とサービスのアウトカムの認識に対する満足度が総合満足を達成するために重要であることが示唆された。 職務・顧客満足度の縦断的分析からは、調査結果のフィードバックにより、サービスの質向上という視点の重要性は高まっており、この質に対する高い満足度が顧客満足を高めていた。顧客満足が高まることにより、訪問看護師は利用者から喜ばれるといった報酬を受け取ることで、良好な「利用者との関係」が強化される一方、その報酬は離職を減らす可能性が考えられた。 そこで、看護管理学的観点からの介入方法の検討として、バーンアウトと職務満足と関連性を明らかにすることを目的とした調査を行った。自記式質問紙による調査の結果、バーンアウトを従属変数とし、職務満足を説明変数とする重回帰分析の結果、職務満足領域では、「利用者との関係」、「職場管理」に対する満足度がバーンアウトとの間に有意な負の関連を示した。良好な利用者との関係を構築し、その関係性の中でサービス提供が行える環境を整備することは介護サービス提供者のバーンアウト抑制策にもつながることが示唆された。 「利用者との関係」を中心とした、互酬性説明モデルによる介入方法を提案した。
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