2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672467
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
岡部 聰子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (60112554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 志保 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助手 (50336533)
石川 ふみよ 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (20190621)
下平 唯子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (70259141)
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Keywords | 失語症 / チーム医療 / 学際的アプローチ / Transdisciplinary |
Research Abstract |
1.研究の目的:「失語症者への学際的あるいはTranscisciplinaryなアプローチ」に向けての教育リハビリテーションプログラムを開発する目的でこれまで文献検索や施設見学を実施をしてきた。看護師中心の直接的ケアがら他職種も入り込むチーム医療、学際的あるいはTranscisciplinaryな取り組みをしている施設で働く医療専門職者の「失語症者」への連携・協働のあり方、それを効果的にする要因等を明確にする。また「失語症者」に関わる医療専門職者の知識、態度、関わり方の実態を知る。 2.研究方法:チーム医療、学際的アプローチへの新しい取り組みをしている施設で働く医療従事者への聞き取り調査および参与観察、さらに医療専門職者によって書かれた文献から内容分析 3.結果:(1)チーム医療を目的として、それを支援するためのハード面、ソフト面での工夫。各医療専門職者が同じ目的に向けて、同じ空間内で機能、また同じ業務を実施している。チームカンファレンス・話し合いの工夫(患者の病状の時期に応じて、初期、定期的に、臨時の、退院後など、毎日のケアの提供の仕方についてなど) (2)従来の医師をトップとしたトップダウン組織運営から、複数の職種が対等に一緒に仕事をするような組織運営を実施している。 (3)看護師が中心となっていた患者への直接ケアに、他職種を参加させていく体制で仕事をしている(患者への食事介助、排泄介助、入浴介助など)。 (4)ハード面として「ナースステーション」でなく、「スタッフルーム」として常に同じ室内でそれぞれの職種が集まり交流している (5)情報の共有化;電子カルテによる共通記録画面があり、場所、時間、職種を問わず記載、閲覧が可能。 4.考察:これまでの失語症者に対する医療専門職者の態度に関する研究で「経験」「体験」の重要性、また知識よりも感情、行為傾向が障害者、失語症者への好意的態度に関連があることが明確となってきた。失語症者はコミュニケーションに障害があるために各職種間でのコミュニケーションは重要である。学際的アプローチを志向している施設での見学からも、いかに各職種の垣根を越えた空間での交流や業務の実践が職種間での意識変革に大きく影響し、チーム医療、協働に重要であるかが明確となり、教育的プログラムに向けての示唆が得られた。
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