がん患者における看護サービスの経済的評価

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13672473
• Research Institution: Nagoya City University
• Principal Investigator: 竹谷 英子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (50241203)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 矢野 久子 名古屋市立大学, 看護学部, 助教授 (00230285) ; 星山 佳治 昭和大学, 医学部・公衆衛生学, 助教授 (90260231) ; 鈴木 啓子 名古屋市立大学, 看護学部, 講師 (70315894)
• Keywords: がん患者 / 看護量 / 介護量 / 看護ニーズ / 看護デマンド

Research Abstract

一般病棟および緩和ケア病棟におけるがん患者の看護・介護に必要な看護・介護量を多面的に把握し、がん患者の看護サービスを経済的側面から評価する目的で調査を行った。本年度は、N大学病院入院中で本調査に同意と協力の得られた、がん患者183人とその家族および当該患者の看護に従事している看護師の有効回答174例の調査結果について発表した。看護師の判断による看護の年間総量について看護項目別に看護師の看護提供量(現状)と看護師が判断する看護必要量(ニーズ)との差の比較では、生活援助、医療的ケア、相談指導、連絡調整および家事援助のいずれの項目においても現状よりニーズが有意に(符号付順位和検定:P<0.01)大きかった。患者・家族の判断による看護・介護の年間総量について看護・介護項目別に、家族の看護・介護提供量(現状)と家族が自分で担うべきであるとする看護・介護量(家族のデマンド)との差の比較では、相談指導、連絡調整および家事援助の項目で有意差があり、相談指導、家事援助では、家族による看護・介護の現状が家族のデマンドより有意に(符号順位和検定:P<0.01)大きかった。患者・家族が判断する看護師の看護提供量(現状)の年間総量と患者・家族が看護師に望む看護デマンドのそれとの差の比較では、生活援助、相談指導については、看護デマンドの方が有意に(p<0.01)大きく、逆に、医療的ケアについては、患者・家族が判断する看護師の看護提供量(現状)の方が有意に(p<0.05)大きかった。つまり、生活援助、相談指導についての看護サービス不足の判断は看護師と患者・家族で一致し、医療的ケアについての判断は不一致であった。さらに相談指導、家事援助についての家族の看護・介護の負担感を明らかにした。
次いで、本年度に調査した緩和ケア病棟における看護・介護量については現在、解析中である。

Research Products

• [Publications] 宮地由紀, 竹谷英子, 他: "大学病院におけるがん患者の看護量"第11回愛知県看護教育研究学会・総会(抄録). 第11号. 10 (2002)
• [Publications] 竹谷英子, 鈴木啓子, 他: "がん患者における看護・介護提供量と看護・介護必要量"第22回医療情報学連合大会論文集. Vol.22. 676-677 (2002)