2001 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおけるディストリクト・ヘルスシステム改革と住民の受療行動に関する研究
Project/Area Number |
13672475
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
柳澤 理子 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (30310618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 晋 東京大学, 大学院・医学系研究科・国際地域保健学教室, 教授 (30158571)
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Keywords | ヘルス・セクター・リフォーム / ディストリクト・ヘルスシステム / 受療行動 / 保健サービス利用率 / カンボジア |
Research Abstract |
本年度は、カンボジアのディストリクト・ヘルスシステムに関する文献検討、Key Informantに対する聞き取り調査、および農村住民を対象とした質問紙調査を実施した。 1.文献検討:カンボジアに赴き、カンボジアのHealth Sector Reformの変遷と、組織改革および財政改革の現状について、研究論文、政府刊行物、国際機関およびNGOの報告書等を収集した。 2.Key Informantインタビュー カンボジア保健省の保健計画担当者2名、UNICEF保健担当官1名、NGO保健担当者2名、カンダール県保健部長、キアン・スヴァイ郡地域保健事務所長、キアン・スヴァイ郡病院職員3名、キアン・スヴァイ地域保健事務所管内の保健センター職員4名に対し、半構成的面接法を用い、面接調査を実施した。 Health Sector Reform前後において、1)組織、2)業務、3)財源、4)薬剤や医療機器の充足状況、5)上級機関による指導・監督、6)患者の利用率が、それぞれどのように変化したかを調査した。カンボジアのHealth Sector Reformは、ロジスティックス改善、公的機関の利用率向上をもたちした。一方管轄地域拡大による遠方住民のaccessibilityの低下、外部ドナーによる財源に依存していることによる持続可能性の不安定さ、などの否定的影響もみられ、特に貧困層に対する影響は不明であった。 3.住民に対する質問紙調査 カンダール県、キアン・スヴァイ地域保健事務所管内の、プレク・ダイ保健センター管轄地域において、受療行動に関する質問紙調査を実施した。同保健センター管轄地域は人口約14,000人、約2900世帯を有しているが、このうち12%の世帯を無作為に抽出し、15〜49歳の主婦に対し、1)世帯に関する人口学的、社会経済的情報、2)過去30日間に病気であった者の有無と症状、3)受療行動(第一行動および第二行動)、4)治療費・交通費などを尋ねた。 質問紙調査の結果については、現在分析中である。
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