2002 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおけるディストリクト・ヘルスシステム改革と住民の受療行動に関する研究
Project/Area Number |
13672475
|
Research Institution | Mie Prefectual College Of Nursing |
Principal Investigator |
柳澤 理子 三重県立看護大学, 看護学部, 助教授 (30310618)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 晋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30158571)
|
Keywords | カンボジア / 保健制度改革 / ディストリクト・ヘルスシステム / 受療行動 / 貧困 / 保健センター |
Research Abstract |
平成14年度は、研究結果の分析および関係者との検討をおこなった。質問紙調査については、対象者257人の人口学的および社会文化的データ、および対象者の家族1547人に関する病気のエピソードのデータを入力、データクレンジングを行った後、SPSS Ver.11にて分析した。フォーカスグループ・ディスカッション(FGD)の結果は、クメール語にて逐語録を作成し、英語に翻訳、翻訳の点検を行った後、内容分析の手法で分析した。 質問紙調査の結果、対象者の約20%が「貧しい」、約10%が「非常に貧しい」と分類された。受療行動についは、第一行動と第二行動とを調査した。第一行動では家庭療法および自己投薬が、第二行動では私的医療従事者の診療、および自己投薬が最も多く、公的医療機関の利用は少なかった。特に一次医療機関である保健センターが約10%のものに利用されているのに対し、二次医療機関であるリファーラル病院は、全く利用されていなかった。貧困層と非貧困層の問で保健センター利用率を比較したところ、貧困層の利用率が有意に高く、また主観的重症感、距離も利用率と関連していた。またFGDの分析により、保健センター利用するか否かを決定するにあたって、対象者が重要視する項目が明らかになった。 結果は、調査地域の援助団体、カンボジア保健省、同省疫学公衆衛生研究所に報告し、今後の事業への活用を検討した。またカンボジアで活動する医療系援助団体の定例会議にて、調査報告をおこない、希望する団体に対し結果を配布した。 国内においては、国際保健医療学会において口演にて発表するとともに、国際誌Public Healthに論文を投稿した。また来年度国際看護研究会において、結果を報告する予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 柳澤理子, メイ・ヴァナレット, 若井晋: "カンボジアにおける保健改革後の農村住民の受療行動"国際保健医療. 第17巻増刊号. 136 (2002)
-
[Publications] Satoko Yanagisawa, Mey Vannareth, Susumu Wakai: "Comparison of Health Seeding Behavior Between the Poor and the Better Off After the Health Sector Reform in Cambodia"Public Health. (印刷中). (2003)