2002 Fiscal Year Annual Research Report
笑いや楽しい体験が療養中の高齢者の免疫機能とQOLに与える影響
Project/Area Number |
13672479
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 愛子 山口県立大学, 看護学部, 講師 (10285447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 テルヨ 宮崎医科大学, 医学部・看護学科, 教授 (80285444)
市村 孝雄 山口県立大学, 看護学部, 教授 (80144468)
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Keywords | NK細胞 / 免疫機能 / QOL / 笑い / 落語 / 漫才 |
Research Abstract |
平成13年度は、「カラオケ(音楽体験)が免疫機能等に与える影響」、「お笑いビデオが女子大生の免疫機能等に与える影響」の2つの実験をおこない、NK細胞の変化について検討した。その結果、カラオケで歌い踊るという運動を伴う楽しさよりも、お笑いビデオを視聴する受動的な楽しさの方が、よりNK細胞が上昇することがわかった。 そこで平成14年度は、高齢者を対象に、笑いや楽しさを誘導するプログラムとして、受動的な楽しさであり、かつ高齢者の好みを取り入れた「落語や漫才の実演とビデオの上映」を行い、NK細胞活性を含む免疫機能やQOLの変化を調査した。 対象者は70歳以上で痴呆症状等のない療養型病床群で生活している男女とした。方法は、1週間に1回の落語や漫才の実演や上映を4週間行い、1回目の前後と4回目の前後に採血と質問紙調査をおこなった。その結果、1回目の採血では、調査対象者8人の内、NK細胞活性は3人(37.5%)に、NK細胞数は6人(75%)に上昇が認められた。β-エンドルフィンは6人(75%)が、ACTHは6人(75%)、コルチゾールは7人(87.5%)が上昇した。4回目の採血では、調査対象者6人の内NK細胞活性は5(83%)に、NK細胞数は3人(50%)に上昇が認められた。β-エンドルフィンは4人(67%)が、ACTH、コルチゾールはともに3人(50%)が上昇した。PGCモラールスケール、主観的幸福度スケールは、1回目の調査時より3人(50%)が上昇を示した。 以上の結果から、落語や漫才を通して誘発された笑いや楽しい体験は、顕著とはいえないが、免疫機能やQOLに有効に作用したことが示唆された。本研究は山口県立大学生命倫理委員会と済生会湯田温病院運営会議において了承を得た。
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Research Products
(1 results)