2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅障害高齢者の食行動上の問題と介入効果についての質的研究
Project/Area Number |
13672482
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
白井 英子 天使大学, 看護栄養学部看護学科, 教授 (80310085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 貴代 天使大学, 看護栄養学部栄養学科, 講師 (30310098)
吉田 礼維子 天使大学, 看護栄養学部看護学科, 助教授 (90320556)
山本 愛子 天使大学, 看護栄養学部栄養学科, 教授 (80310093)
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Keywords | 在宅障害高齢者 / 調理行動 / 摂食行動 / 食の満足感 / 集団的支援 / 質的研究 |
Research Abstract |
今年度は、昨年までの研究結果をもとに、在宅障害高齢者の食行動と食満足の関連を明らかにするためにグループによる介入を実施した。 昨年までの研究から、在宅障害高齢者の食満足には、食行動のすべてのプロセスで、「自分の手で」「好きなもの」「味へのこだわり(自分の味、昔の味)」「食の情報」が関連していた。入手行動では、「新鮮なもの」「安くておいしい」、調理行動では、「温かいもの」「食べたいとき」、摂食行動では、「誰かと食べたい」「外で食べたい」が食満足と関連していた。そこで今回は、抽出された調理行動と摂食行動の要素を充たすために集団支援として食事会を開催し、食満足への効果を分析、評価した。 今年度の研究対象は、昨年度の対象10名(65歳以上で、重度の痴呆がなく、上肢の運動が可能で食事を自力で摂取することが可能な在宅者)から、健康状態の悪化により参加が困難であったものを除外し、承諾の得られた4名とした。介入方法は、グループで調理をして、一緒に食べる支援を2回にわたり実施した。データは、調理や摂食場面をビデオ撮影し、また、グループインタビューにより収集し、分析した。その結果、集団で調理を行うことにより「一緒につくる」という食満足に関わる要素が新たに抽出され、「つくったものを一緒に食べる」という要素も食満足に影響していることが確認できた。食事会では、簡単に調理ができて、栄養バランスが良く、季節感のあるメニューを提供し、食材の選択や調理方法を自宅で取り入れるという効果も見られた。2回目の食事会では、食事に関する満足に加えて、再会を通して自分や仲間が健康で過ごせてきたことに喜びを見出していた。
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