2001 Fiscal Year Annual Research Report
障害児を養育する家族の発達と家族システム-発達過程と関連要因-
Project/Area Number |
13672490
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
濱田 裕子 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (60285541)
|
Keywords | 障害児 / 家族 / 家族の発達 / 家族システム / 家族看護 |
Research Abstract |
本年度は、4年計画の1年目であり、研究実施前の準備としての専門知識のヒアリング、文献検討、および予備研究の実施と分析を経て、障害児通所施設や医療機関の協力を得て対象者にアクセスし、本研究データの収集、分析を計画した。 まず専門知識のヒアリングについては、小児科・NICU医師、障害児療育センター所長および看護婦長、障害児通園施設の園長や主任看護婦からレビューを受けた。また、研究手法については、グラウンデッドセオリー・現象学・ライフストーリーに関する文献検討を行うとともに、質的研究方法の研究会に参加し、本研究法への考察を深めた。 予備研究として、レイニンガーの文化ケア理論の考え方を参考に、NICUおよび障害児療育センター乳幼児通園部門で母子(その他の家族も含む)と専門職に参加観察を行った。その結果、対象者の選定には後者の障害児療育センターで協力を依頼することが適当と考えられ、引き続き乳幼児通園部門で参加観察を行った。乳幼児通園部門に通う子どもは、発達障害の疑われる子どもから重度重複障害の子どもまでと障害のレベルや種類が幅広いため、当初それぞれの子どもと家族の特徴を知るために全17クラスのうちの9クラスで参加観察を行った。その後重度重複障害と肢体不自由を含む発達障害の3クラス20組の母子に焦点をあて、通園プログラムや食事場面での母子の様子、専門職との関わりについて参加観察を実施した。現在、参加観察した母子を対象に、インタビューと今後の研究参加の依頼を行っているところである。 今後、参加観察データや参加観察時の面談丙容も加味しながら、それぞれの子どもと家族のインタビューを継続して実施し、対象家族のデータ収集と分析を平行して行うという継続的比較分析法に基づき分析を行う予定である。分析にあたっては、質的研究方法に精通した研究者にスーパーバイズを受けながら行う予定である。また、継続的比較分析法において、research questioniに基づいて、あらたな対象者を加えて、分析していく可能性も考えられる。
|