2003 Fiscal Year Annual Research Report
障害児を養育する家族の発達と家族システム-発達過程と関連要因-
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13672490
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
濱田 裕子 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (60285541)
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Keywords | 障害児 / 家族 / 家族の発達 / 家族システム / 家族看護 |
Research Abstract |
障害児を養育する家族の機能と発達過程を明らかにすることを目的に、昨年度に引き続き、今年度はあらたに学童期にある障害児の家族のサンプリングを計画し、了承の得られた7家族に対してインタビューを実施し、その結果をグラウンデッドセオリーアプローチに基づいて、継続的比較分析を実施しているところである。対象者は、学童期の障害児をもつ家族7家族13名で、うち母親7名、父親6名(残りの1名については今後面接予定)であった。子どもの障害の程度は、中度〜重度(身障手帳1種1級〜2級)の重複障害であり、1名は後天的障害であり、7名は先天的もしくは出産時の原因による障害であった。家族形態は、両親と子どもの核家族が6家族、1家族は祖母のいる拡大家族であった。母親はすべて専業主婦であり、父親は職業に就いていた。子どもが障害児のみの家族は3家族で、うち2家族は一人っ子であり、残りの1家族は2人の子どもとも障害児であった。きょうだいのいる4家族のうち、障害児の上にきょうだいがいる家族は1家族、障害児の下にきょうだい(妹か弟)がいる家族は3家族であった。障害児と家族のおかれている世界は、〔限定された普通とは違う世界〕として捉えられ、家族はその世界を広げるために、子どもに対して、また家族の内外に対して様々な戦略や行動をとっていると考えられた。また、養育期にある家族が、家族を作り上げるプロセスのなかで、家族としての優先基準によるバランス行動をとっていることも示唆された。 今後は継続的比較分析を行いながら、あらたに7〜8家族のサンプリングを実施し(健常児のきょうだいを上にもつ障害児の家族を含む)、障害の受容との関係も視野にいれながら、家族の認識や戦略、行動について明らかにし、構造化したいと考える。
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