2003 Fiscal Year Annual Research Report
Death-Educationのための指針および具体的方略の肺発と実践・評価-小・中学生を対象とした
Project/Area Number |
13672495
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
岡田 洋子 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90281906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 ひとみ 石川県立看護大学, 講師 (50295169)
茎津 智子 天使大学, 看護栄養学部, 助教授 (10177975)
菅野 予史季 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20322901)
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Keywords | Death-Education / 小学生 / 中学生 / 評価 / 日本 / 死の概念 / 認知的発達 / ピアジェ |
Research Abstract |
本研究の目的は、死をタブー視し子どもとの会話を避ける傾向が強い日本社会において、命の大切さや生きること、死についてどのように教え学ぶか、その方略の開発と実践・評価である。対象は協力の得られた小学校の低学年78名、高学年80名、中学生112名の合計270名である。方法は各学年用に作成したDeath-Educationプログラムの実施前および実施後に、「命」「生きること」について原稿用紙1枚程度に記載、提出を願った。分析は提出レポートから(1)コード化を行い、データがどのカテゴリーに属するか(2)サブカテゴリー化(仮説設定過程)を推定し、(3)カテゴリー化を試みた帰納的・記述的方法である。Death-Educationプログラムの作成は、小児看護の立場で行なう目的・指針と認知的発達段階を考慮し作成した。低学年は作成した「命」について考える視聴覚アニメを、高学年は生徒に身近で具体性に富む少年の闘病生活ドキュメンタリーを、中学生は先天性疾患で入退院の経験・障害を有する高校1年生自身による体験談と、骨腫瘍の少年の闘病生活ドキュメンタリーを併用した。 倫理的配慮は、中学生には成績に一切関係がない、参加するか否か(途中で出ても)自由である、本人および家族から承諾書にサインを頂き実施した。 結果は各学年とも実施前より後の方が1)記載内容が増加、2)一般的知識から感情を伴った表現内容に変化、高学年以上ではさらに3)死と対峙する仲間の闘病生活から(1)そういう仲間の存在をしらないで生きていた自分の発見、(2)健康は当たり前なことではなく、とても大切なことの実感、(3)健康・命の大切さと親への感謝の気持ち、と多くの学び(衝撃)を得ていた。さらに4)死の否定的側面ではなく、生きることに目が向けられていることが確認できた(From Death to Life)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岡田洋子, 佐藤雅子他: "学童期にある小児のアニミズム-過去と現在の比較-"第48回日本小児保健学会講演集(東京). 612-613 (2001)
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[Publications] 茎津智子, 岡田洋子他: "学童期にある小児の死の概念-性別・地域差からみた-"第48回日本小児保健学会講演集(東京). 610-611 (2001)
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[Publications] 井上ひとみ, 岡田洋子他: "学童期の小児が抱いている死および死後の世界のイメージ"第21回日本看護科学学会講演集(神戸). 323 (2001)
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[Publications] 岡田洋子, 菅野予史季他: "学童期にある小児の死への関心と社会経験"第21回日本看護科学学会講演集(神戸). 322 (2001)
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[Publications] 井上由紀子, 岡田洋子他: "死および死者に対する小児の受け止め-身近な人との死別体験を通して-"第22回日本看護科学学会講演集(東京). 335 (2002)
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[Publications] 岡田洋子, 志賀加奈子他: "Death-Educationのための指針および具体的方略の開発"第24回日本看護科学学会. (予定).