2003 Fiscal Year Annual Research Report
褥瘡の局所環境を整える看護技術―コンピューター使用によるケアアルゴリズムの開発
Project/Area Number |
13672498
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
真田 弘美 金沢大学, 医学部, 教授 (50143920)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大桑 麻由美 金沢大学, 医学部, 助手 (30303291)
紺家 千津子 金沢大学, 医学部, 助手 (20303282)
須釜 淳子 金沢大学, 医学部, 助教授 (00203307)
|
Keywords | 褥瘡 / 看護技術 / ケアアルゴリズム / コンピュータシステム |
Research Abstract |
前年度までに褥瘡の創部カラーツールとそのアセスメント項目に適用する介入方法のアルゴリズムを作成してきた。今年度は、このアルゴリズムの妥当性を検証し、プログラミングすることを目的に研究を行った。 対象は、研究参加の同意が得られた65歳以上で褥瘡を有する入院患者である。方法は、アルゴリズムの妥当性を検証するために、褥瘡を有する高齢患者を褥瘡ケアアルゴリズムによるケア介入の有無で介入群と対照群に分け、治癒効果を比較した。治癒効果は、調査開始から4週間にわたり褥瘡判定ツールであるDESIGNの得点と創面積を1週ごとに調査し、介入の有無で比較した。さらに創治癒に影響を及ぼす要因として、褥瘡の深達度、年齢、疾患、全身状態、栄養状態について調査を行い、介入の有無で比較した。調査施設は、研究協力に承諾を得られた病院とした。群分けは、ケアアルゴリズム(冊子)の使用方法について教育を受け、かつアルゴリズムのケアが適切に使用されているか直接研究者が確認ができる施設を介入群とした。一方、対照群は従来どおりのケアを実施した。 その結果、調査対象は介入群は6施設の97名、対照群は16施設の83名であった。創治癒に影響を及ぼす要因は、介入の有無では有意な差は認めなかった。創の治癒状況は、1週ごとのDESIGNの減点数を比較すると、介入群では平均2.1±2.7点し、対照群は平均0.9±2.2と有意に介入群が減少しており治癒傾向を示していた。創面積の縮小率を比較すると、介入群は平均35.2±44.2%、対照群は平均18.6±33.9%と有意に介入群の創面積が縮小していた。 以上より、褥瘡を有する高齢者に褥瘡ケアアルゴリズムを使用すると治癒を促進させることが明らかとなり、アルゴリズムの妥当性が検証された。そこで、第2段階として、このアルゴゴリズムを実際にコンピューターで創をアセスメントしながらケア方法を導き出せるようにMicrosoft office XP Access (for Windows)にてCD-R版を作成した。
|