2003 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患を持つ女性の退院後生活のアセスメントツールと看護介入モデルの開発
Project/Area Number |
13672503
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
津田 紀子 神戸大学, 医学部, 教授 (80172021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 由美 神戸大学, 医学部, 助教授 (90284364)
宮脇 郁子 神戸大学, 医学部, 助教授 (80209957)
矢田 真美子 神戸大学, 医学部, 助教授 (10239783)
石川 雄一 神戸大学, 医学部, 教授 (90159707)
中田 庸夫 神戸大学, 医学部, 助手 (70295773)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 成人女性 / 退院後生活 / 心理的反応 / チームアプローチ / 看護介入モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、心臓カテーテルを受け虚血性心疾患と診断された女性患者に対して、入院中から退院まで、さらに退院後の生活アセスメントツールと退院後の看護介入モデルを作成することである。 本年度は虚血性心疾患と診断された21名の患者を対象に(女性6名、男性15名)VAS(Visual Analog Scale)を参考に研究者が作成した不安・恐怖のスケール(これまでに体験した不安・恐怖のうち最大のものを「10」とした場合のスケール)を用いて心臓カテーテル検査・治療を受けた後、退院時に不安について測定した。対象者の年齢は女性64.7±7.9歳、男性62.2±12.5歳であった。 その結果女性患者において有意に不安・恐怖が高かった。またその内容は、心臓カテーテル検査の結果について、今後の生活について、病状の程度について、慢性的な経過について、これから先どうなるかという漠然とした不安であった。男性患者の場合は、これからの生活、仕事がどうなるかなど比較的限定された内容であった。虚血性心疾患を持ち運動療法に取り組んでいるリハビリテーション期の患者における病気の状態に関する曖昧さや治療ケアシステムの複雑さから不確かさの認知がみられそれがアドヒアランスの影響要因になると言われているように、病状の程度やこれから先の成り行きに対する不安は退院後の生活に大きな影響を与える要因となることが示唆された。また特に女性患者においては、日常苛立ちごとの中で老化による衰え、病気の先行きなどが心理的ストレス反応との関連が強いという研究結果もみられるように、病気の現状と今後の詳細な情報を伝え、日常生活の中で利用可能なサポートシステムを構築する必要性を示していた。 今後、女性患者のデータを追加収集し女性と男性の不安の内容の違いを明らかにする予定である。
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