未熟児とその母親の母子関係形成過程とそれに影響する要因に関する縦断的研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13672505
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 大井 伸子 岡山大学, 医学部, 助教授 (60155041)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 合田 典子 岡山大学, 医学部, 助教授 (70225639) ; 太田 にわ 岡山大学, 医学部, 助教授 (00213736) ; 増山 寿 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30314678)
• Keywords: 未熟児(低出生体重児) / 母子関係 / 事例調査

Research Abstract

本研究は、未熟児(低出生体重児)を出産した母親とその児を対象に、1)母親の妊娠中の状況、2)分娩時の状況と分娩が母親に及ぼした影響、3)未熟児を出産したことによる母親の身体・精神・社会的な症状、4)夫を中心とした家族関係と夫(父親)の行動や態度、5)児の発育・発達の経過が母子関係に及ぼす影響について明らかにすることを目的としたものである。
I.研究方法
調査対象は岡山大学医学部附属病院で出生した1,500g未満の低出生体重児とその母親とした。倫理的配慮として研究目的を説明し、同意の得られた者に対して調査を行った。調査内容は、妊娠中の状況(妊娠異常とその対応、妊娠中の胎児に対する感情)、分娩時の印象・感想、夫(父親)を中心とした家族関係、母親の出産後の身体・精神・社会的症状とその経過、児の発育・発達状態、母子関係(対児感情、対児行動)等について、半構成的面接法による聞き取り調査と直接観察法を用いた。
II.結果
現在8事例について、継続調査中である。事例については、以下に示す。6事例(75.0%)が他施設からの緊急搬送であり、全例母親自身が予期せぬ時期の分娩となっていた。
事例1:40歳、初産婦。緊急帝王切開術で、520g(在胎週数26週0日)の女児を分娩。核家族。
事例2:20歳、初産婦。緊急帝王切開術で、830g(在胎週数26週1日)の男児を分娩。核家族。
事例3:31歳、初産婦。緊急帝王切開術で、715g(在胎週数29週0日)の女児を分娩。核家族。
事例4:16歳、初産婦。経膣分娩で、1,308g(在胎週数29週4日)の女児を分娩。拡大家族。
事例5:29歳、初産婦。経膣分娩で、793g(在胎週数25週6日)の女児を分娩。核家族。
事例6:28歳、経産婦。緊急帝王切開術で、1,422g(在胎週数31週3日)の女児を分娩。核家族。
事例7:30歳、初産婦。緊急帝主切開術で、1,498g(在胎週数35週1日)の男児を分娩。核家族。
事例8:25歳、経産婦。緊急帝王切開術で、1,300g(在胎週数34週0日)の男児を分娩。核家族。