2002 Fiscal Year Annual Research Report
母子看護の視点に立った新生児と妊産婦の感染防御成分の分析
Project/Area Number |
13672507
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺尾 紀子 徳島大学, 医学部, 教授 (90217414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 修司 徳島大学, 医学部, 教授 (30166772)
佐原 玉恵 徳島大学, 医学部, 助手 (50335824)
吉永 純子 徳島大学, 医学部, 助教授 (30227425)
安岡 劭 博愛記念病院, 臨床研究部門長(研究職)
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Keywords | 新生児気道吸引液 / 母乳 / うがい液 / 妊産婦 / 分泌型IgA |
Research Abstract |
新生児や妊産婦の感染防御の有効な予防法や看護を開発していくための基礎的研究として、新生児の気道粘膜系の感染防御の機序や特徴を解明したり、新生児の気道粘膜系の感染防御成分レベルと、母乳摂取量や母親の初乳中の感染防御成分レベルとの関連性を解明したりすることが有用と考えている。 検体の種類と採取方法は,新生児側からは分娩直後に採取される吸引羊水(以下、新生児気道吸引液という)で,採取方法は気管カテーテルで吸引器を介してプラスチックに回収した。新生児唾液の採取方法は,口腔内に綿棒を約2分間含ませる方法で採取した。母親側からは妊産婦のうがい液と初乳などの検体の採取方法について検討した。妊産婦のうがい液は褥婦の分娩疲労回復後の産褥3日目に20ml蒸留水を使用して1回のうがい液を採取した。 新生児の分泌型IgA濃度の測定:出生直後の気道吸引液及び新生児の口腔内唾液を生後1日目,生後3日目,生後5日目に授乳前に採取したものをELASA法で測定。 新生児の分泌型IgA濃度の経口的変化をみると,新生児気道吸引液の分泌型IgA濃度の平均値は3.07μg/ml±9.20μg/mlであった。新生児口腔内唾液の平均値は母乳開始前で4.24μg/ml±8.50μg/ml,生後3日目14.74μg/ml±11.34μg/ml,生後5日目14.70μg/ml±17.95μg/ml,を示した。生後1日の母乳開始前の濃度は低値を示すが,その後の分泌型IgA濃度の値は非常にばらつきがみられる。これは,母親の乳汁分泌状態の影響もあるが,授乳をする際の新生児の覚醒状態によって成績に差が出ていると考える。一方,母親のうがい液の平均値は5.33μg/mlであった。授乳時の母子の状態を感染予防上,いかにうまく授乳させるか,生後数日間の指導が重要である。
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