2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672508
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Research Institution | KAGAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹内 博明 香川医科大学, 医学部, 教授 (40112049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 知子 香川医科大学, 医学部, 助手 (00314922)
伊東 久恵 香川医科大学, 医学部, 助教授 (20213069)
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Keywords | パーキンソン病 / 健康観 / 主観的QOL / Heaith Locus of Control(MHLC) / 疾病受容過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は,パーキンソン病患者の病気や健康の原因に関する信念の所在を分析し,患者のQOLや疾病受容過程に与える影響について明らかにすることである.2002年4月〜7月,K病院内科外来通院中のパーキンソン病患者70名を対象として自記記載による質問紙調査を実施した.そのうち,有効回答が得られた63名(男性18名,女性38名,平均年齢68.9,SD8.7歳)の分析を行った結果,以下の内容が明らかとなった. 1 Health Locus of Control(MHLC)下位尺度のCHLCとPHLCは,65歳未満群に比し65歳以上群の平均得点が優位に高かった. 2 調査対象者のQOL得点についは,基本的属性やMHLC下位尺度による差は認められなかった. 3 疾病受容過程をHoehn&Yahrの重症度分類別にみたところ,「いつか治る」について「はい」と答えた人はStage I・II群では77.8%, III群88.0%, IV群55.0%と軽症群で優位であり,同様に,「今後は有意義に過ごしたい」について「はい」と答えた人は,Stage I・II群77.8%, III群43.2%, IV群35.0%と軽症群で優位であった. これらの結果は,高齢パーキンソン病患者には病気や健康の原因に関する信念を運や他者などの外的なものに求める傾向があること,さらには,パーキンソン病患者は罹病によるライフ・スタイルの変化に対応していても,症状の進行とともに疾患に対する肯定的認識が低下することを示したものと考えられた.
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