2002 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭全摘出者が自助グループ参加によって得られる適応に及ぼす要因
Project/Area Number |
13672511
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
寺崎 明美 長崎大学, 医学部, 教授 (50163910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 由紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60256451)
鷹居 樹八子 長崎大学, 医学部, 講師 (40325676)
辻 慶子 長崎大学, 医学部, 講師 (60336188)
関根 剛 大分県立看護科学大学, 講師 (90290452)
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Keywords | 喉頭全摘術 / セルフヘルプ・グルーピング / 自助グループ / 食道発声 / コーピング |
Research Abstract |
平成14年度は以下のテーマで二つの学会に成果発表を行った。 1.看護研究学会発表;「喉頭摘出者の日常生活負担感とセルフヘルプ・グループから得ている支援」 2.看護科学学会発表;「喉頭摘出者のストレス対処とセルフヘルプ・グループから得ている支援」 <成果内容> 1.対象の概要;241名の対象者(男性90.4%)、平均年齢は66.7歳 2.ストレス対処;因子分析により「情緒的対処」「問題解決対処」の2因子(寄与率44.5%)を抽出した。 3.支援内容;「積極性の獲得」「情緒的支援」各7項目、「具体的能力獲得」6項目の3因子(寄与率63%)を抽出した。一元配置分散分析により対処パターンとの関連を見た。 <結論> 1.喉頭摘出者のストレス対処として「対人問題対処」「問題解決対処」が確認された。 2.セルフヘルプ・グループからは「積極性の獲得」「具体的能力獲得」「情緒的支援」を受けていることが確認され、これらは相互に関連があった。 3.食道発声が上達するにつれて、支援3因子の得点も上昇していた。喉頭摘出者のグループ参加目的は、食道発声の獲得にあるので、目的の到達状況に影響を受けていた。 4.ストレス対処として「対人情緒的対処」や「問題解決対処」の傾向が強い喉頭摘出者は、グループから支援を受けていると感じる程度も強かった。 5.「具体的能力の獲得」は上級クラスにおいて、「情緒的支援」は中級以上で、対処パターン間での有意差が認められた。参加当初の目的でもある食道発声の上達が満たされると、喉頭摘出者が持つ対処方法の差により、セルフヘルプ・グループからの支援の受け止め方も異なることを確認した。 以上の横断的研究結果を踏まえ、最も支援を必要としている初心者クラスに焦点を当て、つぎのような目的に沿って縦断的研究を開始している。 目的:「初心者クラスの中で初回参加者の生活体験を聞くことにより、中途脱落の理由を明らかにする」
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