2002 Fiscal Year Annual Research Report
病気の子どもを抱えた家族の医療への参画を支援する介入方法の開発
Project/Area Number |
13672533
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Research Institution | KOCHI WOMENS UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中野 綾美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (90172361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 智恵 高知女子大学, 看護学部, 助手 (60326452)
益守 かづき 高知女子大学, 看護学部, 講師 (20238918)
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Keywords | 病気の子ども / 家族 / 介護介入 |
Research Abstract |
小児病棟、小児・成人の混合病棟、およびNICUに勤務している看護師を対象として調査を実施した。調査結果ら、看護師は、(1)医療者に不信感をもっている家族、(2)看護師に対して思いを表出しない家族、(3)予後が悪く子どものために家族ができることが少なくなつた家族、(4)家族の希望する処置が子どもに負担となる状況にある家族に対して、医療への参画を支援することが困難であると捉えていた。看護師は、このような家族と関わる中で、看護師を信じてもらえない辛さ、家族にチェックされているという脅かし、看護師と家族との見通しのズレ、家族は看護師に心を開いてくれないというあきらめを体験していた。看護師は、困難な状況を、看護師自身が感情をコントロールし自らを立て直す、看護チームから精神的サポートを得る、看護チームで話し合い家族への関わりを統一する、家族との距離の取り方を調整する、自らの家族との関わりを振り返り整理することにより乗り越えようと試みていることが明らかになった。家族の医療への参画を支援する介入方法として、(1)家族を継続的に捉え直し家族像を形成する、(3)情緒的支援の提供、(4)家族への教育、(5)代弁・アドボカシー、(6)対処行動・対処能力の強化、(7)家族関係の調整・強化、(8)役割調整、(9)発達課題への働きかけ、(10)危機への働きかけ、(11)家族のセルフケアの強化、(12)家族の力の育成などが示唆された。本研究結果から、困難を体験している看護師をサポートする体制を整えること、家族の医療への参画を支援する介入方法を看護師が修得することのできる継続教育を実施することが今後の課題として提案された。
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