2001 Fiscal Year Annual Research Report
健康教育の継続的効果の評価に関する研究-地域における高脂血症者を対照とした健康教室の実施を通して-
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13672539
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Research Institution | Gunma Prefectual College of Health Science |
Principal Investigator |
中西 陽子 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 助教授 (50258886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 陸郎 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 教授 (00156465)
青山 みどり 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 講師 (60258887)
二渡 玉江 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 教授 (00143206)
佐久間 充 女子栄養大学, 保健栄養学科, 教授 (90010066)
下村 洋之助 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 教授 (50154331)
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Keywords | 高脂血症 / 地域住民 / 健康教育 / 保健指導 / 食習慣改善 / 運動習慣 / 生活習慣得点 / 継続的効果 |
Research Abstract |
平成13年度は、平成11年度に高脂血症の改善を目的とした健康教育を受けた第I期の住民49名(教育後治療を開始した5名は除いた)の継続的な教育効果の定着度を判定するために、教室終了後の検診結果と13年度の検診結果を比較検討した。その結果、1年間の健康教育を受講し、2年後の評価にて血液成績の結果、継続的な教育効果が認められる者(教育効果定着群)23名(46.9%)、継続的な効果が認められなかった者(教育効果非定着群:再教育群)26名(53.1%)であった。教育効果定着度の判定基準は、(1)第I期健康教育終了後の血液成績が正常範囲内であり、13年度の血液成績も正常範囲内である、(2)第I期健康教室終了後の血液成績は正常範囲でなくても、13年度の血液成績が正常範囲内である、とし、(1)(2)いずれかの条件を満たす者を定着群とし、それ以外の者を非定着群とし再教育の対象とした。 教育効果定着群と非定着群の生活習慣アンケートの結果を比較すると、食習慣では食事量、間食の頻度、野菜の摂取、マヨネーズ・ドレッシングの使用量の項目に有意差が認められた。運動習慣については、有意差は認められなかったが、非定着群の方が運動量、運動頻度共に少ない傾向にあった。また、健康教育参加中は運動習慣があったが、教育終了後に運動習慣をもたなくなった者が非定着群にはいた。食習慣、運動習慣、飲酒・喫煙習慣の18項目からなる健康習慣得点を比較すると定着群(40.5±9.22)に比べ、非定着群(33.9±6.92)の方が有意に低い結果であった。 これらの結果は、1年間の健康教育の効果が2年後まで継続している教育効果定着率は約5割であることを示していた。また、健康教育で行った生活習慣改善の教育の中で、特に食習慣の改善について継続的に気をつけている者は血液成績が良く、教育の継続的効果が認められると考えられる。食習慣の改善の保健指導の重要性とその維持の困難さを示唆するものである。 現在、非定着群の対象者に対して、平成13年10月から14年7月の10ヶ月間に計5回の予定で、再教育として高脂血症改善のための健康教室を行っている。今後は、定着群、非定着群ともに、1年ごとの検診結果を縦断的に追い、長期的な継続した教育効果を評価・検討する予定である。
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