2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌手術後の患者と家族員の社会復帰を支援する外来看護のあり方に関する研究
Project/Area Number |
13672540
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
浅野 美知恵 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (50331393)
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Keywords | 消化器癌手術 / がん患者 / がん患者の家族員 / 社会復帰 / 患者中心の看護 / 外来看護 / 看護サービス |
Research Abstract |
本研究は、消化器がん手術後の患者と家族員の社会復帰を支援する外来看護のあり方を4年間にわたって検討することを目的とし、今年度(最終年度)は、実施した援助を評価し、外来看護援助の精錬を図ることに焦点を当てている。 フィールド調査を3ヶ月間延長した結果、(1)全対象は、消化器がん患者41名(男性29名、女性12名;平均年齢59.4歳)と家族員41名(男性10名、女性31名;平均年齢55.1歳)の計82名であった。介入群(外来看護援助モデルによる援助を実施する群)20組で、対照群(外来の標準看護を実施する群)21組であった。時期別では、退院後〜3ヶ月は12組、手術後2〜3年は16組、手術後5年以上は13組であった。(2)外来看護援助モデルを適用して援助した結果、非常に効果的に目標を達成した組と、目標はほぼ達成されているが介入期間などを問題提起した組があった。(3)対象者の健康生活を統計調査した結果、術後の回復に関わる身体状況は、両群に有意差の認められる項目があり、SF-36によるQOLは、両群に有意差は認められなかった。(4)介入に対する対象者の反応と研究者の行為を質的・帰納的に分析した結果、対象者の変化の意味4つと援助の意味3つが見出され、対象者に変化をもたらす看護援助の特徴4つが導きだされた。(5)上記の結果から、対象者は、自分自身をこれでよいと思える等の自己の能力が高められ、円滑に社会復帰するパワーを獲得したといえ、実施した外来看護援助は効果的であったと評価された。 上記に関連学会で得た情報と関連文献の検討を重ね、消化器がん手術後の患者と家族員の社会復帰を支援する外来看護援助を精錬した結果、病気と共に生きる活力を保持するための自己肯定力を引き出す援助など4つの援助が明示された。今後は、医療チームの連携をとりながら施設の事情に応じてこの外来看護援助を提供できるように検討したい。
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Research Products
(3 results)