2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680001
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 賢一 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (90323873)
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Keywords | 和算 / 関孝和 / 数学史 |
Research Abstract |
本年の研究実績は以下の通りである。 1・和算家関孝和の継承者の一人として、沼田長なる人物がいたことを明らかにしたこと。これまで知られていたものとは全く異なる系統の、関孝和の継承者がいたことが判明したことになる。(論文「三宅尚斎と阿蘭陀流町見術」で発表。) 2・関孝和の開いた流派である「関流」の秘伝書『乾坤之巻』を、現在、学習院大学が所蔵していることを明らかにしたこと。この秘伝書は紀州徳川家の一族に授与されていたもので、大名クラスの人物が和算を研究していた新しい歴史的事例を与えるものとなった(平成14年2月、数学史研究会において「阿部正由と藤田貞資:秘伝書『乾坤之巻』の伝授をめぐって」のタイトルで口頭発表。) 3・関孝和より先に日本で数学を研究していた人物の一人で、関孝和にも少なからぬ影響を与えたかもしれない者として横川玄悦を採り上げ、この人物が武州忍藩に医師として仕官していたらしいことを明らかにしたこと。関孝和の直弟子とこの横川の間に交流があったらしいことも明らかにした。(2001年5月、科学史学会において「和算家横川玄悦と忍藩医横川玄悦」のタイトルで口頭発表。) 次年度以降の研究計画としては、現在進めている東京大学ならびに日本学士院の和算史料調査を完了させ、データベースの核となるデータを整備していく。(14年度)次いで、各地の主だった和算史料(東北大学、九州大学など)の情報を累積させていく予定である。(15年度以降)
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Research Products
(1 results)