2002 Fiscal Year Annual Research Report
17世気前半の西欧における「生きてはたらく人体」理解の転換の研究
Project/Area Number |
13680005
|
Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
月澤 美代子 順天堂大学, 医学部, 講師 (40311980)
|
Keywords | アナトミア / 人体観 / フィジオロギア / 16世紀 / 17世紀 / 医学史 / バーゼル大学 / 解剖学史 |
Research Abstract |
17世紀前半、W.ハーヴィ(William Harvey,1578-1657)の"De Motu Cordis"における血液循環論の提唱、R.デカルト(Rene Descartes,1596-1650)による機械論的人体像の提出によって西欧における「生きてはたらく人体」理解をめぐる学問構成は大きく転換した。このハーヴィ、デカルトがともに影響を受けたのがG.ボーアン(Gaspard Bauhin,1560-1624)の"Theatrum Anatomicum"である。このボーアンの活動の舞台であったスイス・バーゼル大学に注目し、ボーアン、さらには、ボーアンの師であったF.プラッター(Felix Platter,1536-1614)のアナトミアのテキスト、さらにT.ツヴィンゲリ(Theodor Twingeli,1533-1588)のフィジオロギアのテキストの分析を通して、ハーヴィ、デカルトに直接先立つ時代のアナトミアとフィジオロギアの問題構成と問題関心の推移を、主として次の2点からあとづけ分析した。 1.1570年にF.プラッター、T.ツヴィンゲリにより改正されたバーゼル大学『規約』の付表から、アナトミアとフィジオロギアの位置づけを分析した。 2.1590年から1621年までに出版された、G.ボーアンのアナトミアの7冊のテキスト、さらに、ボーアンの師F.プラッターの1583年に出されたアナトミアのテキストの構成、序文を中心に継時的に分析し、16世紀後半から17世紀初頭のスイス・バーゼルのアナトミアにおける問題構成と問題関心の推移について分析した。
|