2001 Fiscal Year Annual Research Report
個人追跡法による日本人児童・生徒の身体発育の総合的分析
Project/Area Number |
13680012
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高井 省三 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20050643)
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Keywords | 発育 / 縦断的研究 / 成長曲線 / 思春期スパート / 成長速度 / 日本人 / 小児期スパート / 生体計測 |
Research Abstract |
身体各部の成長速度曲線からとくに思春期スパートに関する成長パラメータの標準値を作成する目的のために,小城成長研究のデータを縦断的に解析した。被験者は1979年から1996年にわたって計測した,佐賀県小城町の公立小,中,高等学校の児童・生徒の男子881人,女子907人(のべ11,256人)である。計測項目は国際生物学プログラム(1969)に基づき,30項目のリストから,身長,体重,座高,上肢長,下肢長,肩峰幅,腸骨稜幅をとりあげた。 はじめに縦断的データを編集した。UnixシステムのThe GNU Plotting Utilities(Version 2.4.1,2000)を中心にしたプログラムを自作して,7項目について1,788人の個人追跡データを現量値曲線として描いた。この編集過程でデータの記録ミス,入力ミス,計測ミスなどによる明らかな外れ値を修正した。修正できない外れ値は欠測値として処理した。編集が終わったデータは成長速度曲線のパラメータを求めるためにAUXALコンピュータプログラム(1994)で解析した。 身長をAUXALの三重ロジスティック曲線を当てはめて個人の成長曲線とそのパラメータを推定するBTT法で解析した.十分な縦断的データをもつ男子190名,女子266名(女子の88%で12回;男子の30%で12回,61%で13回の計測)に計算時のコマンドERRORの引数は省略時の値であるSD=1.0を男女共に与えた.その結果,1)思春期スパートの開始年齢は男子で10.0±0.72歳,女子で8.5±0.歳,2)身長最大増加年齢は男子で12.7±0.79歳,女子で11.0±0.69歳,3)同時点での速度(身長最大増加速度)は11.0±1.10cm,女子で10.0±0.97cmであることが明らかになった。
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