2001 Fiscal Year Annual Research Report
介護サービスにおける顧客満足度に関与する作業要因と従事者に必要な体力水準の検討
Project/Area Number |
13680019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
蛭田 秀一 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (30173272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 詳子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60212669)
山田 宏 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (00220400)
島岡 みどり 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (30135389)
今枝 敏彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (00303636)
小野 雄一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80135334)
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Keywords | 介護 / 車椅子 / 床反力 / 快適度 / 安全感 |
Research Abstract |
被介護者の満足度に関係するパラメータを探るために,車椅子からベッドへの移乗介助作業についての実験を行った。介護作業者として女子学生10人(平均身長 159.0cm,同体重 48.9kg),被介護者役として女子学生1名(体重 47.0kg)を用いた。各作業者には,異なる8つの条件について,それぞれ車椅子に座っている被介護者役を抱き上げ左回りに105度回転させながらベッド上に移乗させる作業を実施させた。条件は,患者用介護ベルト使用の有無,新旧の車椅子(新型車椅子は肘掛け可倒式かつ足置き収納式),ベッドの高低(66cmと42cm),の3要因を組み合わせた8条件であった。2台の床反計を使用し作業中の左右それぞれの足についての荷重を測定した。患者役には,移乗開始時,空中,移乗終了時における快適度と安全感についてそれぞれ7段階で回答させた。快適度と安全感の回答をそれぞれ3段階にまとめた後,各段階間で左右各足についての鉛直方向の荷重ピーク値および両足合成荷重のピーク値を比較した。ただし,各荷重ピーク値は作業者自身の体重と被介護者役の体重との和で除した値を各作業者内で正規化したものを用いた。一元配置分散分析に関して有意(p<0.05)となったのは,空中時の快適度についての左足ピーク荷重,移乗終了時の快適度についての右足および両足合成ピーク荷重,空中時の安全感についての右足および左足ピーク荷重であった。いずれも,快適度または安全感が悪化するほど荷重ピーク値の平均値が大きいという傾向であった。これらの結果から,移乗介助の際に被介護者が感じる快適さや安全性は被介護者を抱えた作業者の体重移動の様式と関係していることが示唆された。次年度は,作業に関して水平方向の荷重や動作分析による各種パラメータを含めたより詳細な解析をするとともに,介護者側の体力水準の影響を調べる予定である。
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