2003 Fiscal Year Annual Research Report
体性感覚反応課題における逆向マスキング現象と運動準備過程の無意識的情報処理
Project/Area Number |
13680039
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
今中 國泰 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (90100891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西平 賀昭 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20156095)
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Keywords | 反応時間 / 刺激検出 / 知覚体験 / 体性感覚 / 逆向マスキング / 無意識的過程 / 脳内情報処理 |
Research Abstract |
本研究では、逆向マスキング・パラダイム(2つの連続刺激の呈示)を用いた反応時間課題において、その刺激強度および刺激間時間を変化させることによりマスキング効果の大きさを操作し、知覚体験の有無と反応時間の関連性から脳内情報処理過程を検討した。行動学的側面としては、先行刺激の知覚体験を2区間強制選択課題で、また刺激に対する運動反応は反応時間で評価し、脳波関連では、知覚体験に関しては事象関連電位P300を、運動準備関連では側方化運動準備電位LRPを用いて評価した。これらの各指標から、無意識的な知覚(マスクされる先行刺激)及び意識的知覚(自覚的に知覚される後続刺激)のそれぞれの条件下における運動準備過程を検討し、知覚と反応に関わる各情報処理の時間関係及び無意識的知覚と運動反応に関する脳内情報処理に言及した。 本年度は、前年度からの継続実験として、運動準備電位LRP及びP300を検討した。その結果、刺激からのLRPの立ち上がり潜時と反応時間には強い関連性があるが、LRPの立ち上がりから反応までの時間については反応時間との関連性が認められなかった。したがって、先行刺激が反応準備過程を早期化していることが明らかとなったが、先行刺激が知覚過程の情報処理を促進したのか、運動準備過程の早期トリガーとなったのかについては、今後の課題として残された。 これまでの研究成果は、日本体力医学会(静岡、平成15年9月)、日本体育学会(熊本、平成15年9月)、日本スポーツ心理学会(筑波、平成15年12月)、Sensorimotor Coordination 2003(ブリスベン、平成15年7月)などの学会で発表した。また、関連研究を総説論文として著書(運動生理学シリーズ7、3章6)に執筆し(印刷中)、関連論文としても国際誌に投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishihara M, Imanaka K, Mori, S: "Lateralized effects of target location on reaction times when preparing for manual aiming at a visual target"Human Movement Science. 21. 563-582 (2002)
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[Publications] Higuchi T, Imanaka K, Hatayama T: "Freezing degrees of freedom under stress : Kinematic evidence of constrained movement strategies"Human Movement Science. 21. 831-846 (2002)
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[Publications] Kimura K, Imanaka K, Kita I: "The effects of different instructions for preparatory muscle tension on simple reaction time"Human Movement Science. 21. 947-960 (2002)
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[Publications] Tsutsui S, Imanaka K: "Effect of manual guidance on acquiring a new bimanual coordination pattern"Research Quarterly for Exercise and Sport. 74. 104-109 (2003)
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[Publications] Higuchi T, Takada, H, Matsuura Y, Imanaka K: "Visual estimation of spatial requirements for locomotion in novice wheelchair users"Journal of Experimental Psychology : Applied. in press. (2004)
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[Publications] 今中 國泰: "運動と高次神経機能-運動の脳内機能を探検する(運動生理学シリーズ7)第3章 6 無意識下の感覚情報と運動"杏林書院(印刷中). (2004)