2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680046
|
Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
佐藤 佑 仙台大学, 体育学部, 教授 (80048595)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 省三 仙台大学, 体育学部, 教授 (00179219)
中川 功哉 仙台大学, 体育学部, 教授 (50001798)
|
Keywords | 高齢者 / 運動処方 / 生活体力 / QOL / ダブルプロダクト / みんなの体操 / ウォーキング / レジスタンス運動 |
Research Abstract |
65歳から84歳までの高齢者54名(男子7名、女子47名)を対象として、7月から12月まで、1回の運動時間が90分間の運動教室を21週にわたり実施した。これら54名中45名が医療受診者であったが、危険防止のための十分な監視体制を取って参加希望者の全員に参加を認めた。運動の内容は第1期8週をアセスメント期として、仲間づくりを主としてストレッチングやリズム体操、第2期8週を基本的運動の理解と実践の時期とし、みんなの体操・リズム体操・極めて軽度なレジスタンス運動等、第3期5週を日常生活における運動の習慣化の完成の時期として、家庭でできる運動やウォーキング等を実施した。なお、第5週と第19週に体力テストを実施した。体力テストは開眼片足立ち、握力、長座体前屈、ステッピング、3分間歩行および明治生命方式生活体力である。なお21回の出席率は89%と高く、40名が前後2回の体力テストを受診することができた。テストの総合点により体力を評価すると、不変の1名を除いて、39名が確実に向上した。開眼片足立ち、握力、長座体前屈などの静的テスト項目より、生活体力、ステッピング、3分間歩行テストの動的なテスト項目に大きな改善が認められた。これらの結果から、週1回の極めて軽度な運動を約半年定期的に実践するだけで高齢者にあっても体力の改善が認められた。さらに参加者の95%が以前より元気になったと報告し、なかには腰痛がなくなった、高血圧により通院している人の収縮期血圧が低下した、膝が痛くて座れなかった人が楽に座れるようになった等、軽運動の実施により高齢者の生活の質が確実に向上する事実を観察することができた。 今後これらの高齢者を追跡し、年間にわたる歩行数の測定、みんなの体操やウォーキング実施中のダブルプロダクト(収縮期血圧×心拍数)の測定等により、本研究で実施した運動内容の安全性を検討し、高齢者のQOLを高めるための運動処方を作成する。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 鈴木 拓, 鈴木 省三, 中川 功哉: "高齢者の体力および定負荷運動に対する呼吸循環応答の20年間の推移"体力科学. 50・2. 291 (2001)
-
[Publications] S.Suzuki, T.Sato: "Dietry manipulation for conditioning in collegiate athletes"J. of Strength and Conditioning Research. 15・3. 177 (2001)
-
[Publications] 佐藤 眞由美, 佐藤 拓 他: "宮城県が実施した高齢者健康・体力づくり教室 第1報 参加者の除外基準は設けない"体力科学. 50・6. 960 (2001)
-
[Publications] 佐々木 留美子, 佐藤 拓 他: "宮城県が実施した高齢者健康・体力づくり教室 第2報 運動指導の内容と効果"体力科学. 50・6. 961 (2001)
-
[Publications] 安達 亜衣子, 鈴木 省三, 佐藤 拓: "体脂肪率の変動が新体操競技女子選手の月経周期に与える影響"体力科学. 50・2. 290 (2001)
-
[Publications] 藤井 久雄, 佐藤 拓: "寒冷下におけるランニングトレーニングがラット骨格筋のエネルギー代謝に及ぼす影響"体力科学. 50・6. 852 (2001)
-
[Publications] 青木 純一郎, 佐藤 拓, 村岡 功: "スポーツ生理学"市村出版. 244 (2001)