2001 Fiscal Year Annual Research Report
アナボリックステロイドのドーピングが生体に及ぼす影響について(内臓の病理組織学的検索を中心として)
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13680047
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
河野 俊彦 国際武道大学, 体育学部, 教授 (50092052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正人 国際武道大学, 体育学部, 助教授 (50265485)
立木 幸敏 国際武道大学, 体育学部, 講師 (20255178)
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Keywords | ドーピング / アナボリックステロイド / ラット / じゃんプトレーニング / 病理学的検索 / 内分泌学的検索 |
Research Abstract |
本年度は動物実験としてジャンプトレーニングを行わせる実験群を作成し、以下のように行った。 材料はWistar系雄ラット(実験開始時7週齢)を用い、次の5群(各群12匹)を作成した。A群:アナボリックステロイド(AAS)を2種類投与し同時にジャンプさせる。B群:AASのみ投与する。C群:ジャンプのみさせる。D群:電気刺激のみ行う。E群:対照群。 AASはデカデュラボリン、プリモボランの2種類とし、6週投与、4週休みのステロイドサイクルとし、2サイクル行う。 ジャンプトレーニングの方法としては、塩化ビニール製筒を数個用意し、電気刺激線を配したアクリル板製床盤の上に重ねてジャンプの高さを調節した。次にラットを床盤の上にのせた状態で、電気刺激を与え、ジャンプして筒の上端に前脚でつかまるように学習させた。'運動強度は体長の約2倍の高さの40cmとし、週3日、1日40回のジャンプをさせた。 検索方法は各群ともAAS投与開始し、4、8週後に各群6匹ずつ屠殺、血液採取と臓器、骨格筋の摘出を行った。血液はエーテル麻酔下で心臓より直接採取し、失血死させた。続いて各動物から骨格筋、内臓諸器官を摘出し、重量測定後、凍結試料と10%ホルマリン固定試料を作成した。 解剖時の所見は、これまでの実験で得られたものと概ね同様で、体重の変化はA群、B群の増加量が少なく、6週目からはほぼ同体重を維持した。E群はもっとも増加量が多く漸増した。C群、D群もE群にほぽ同様であった。 内臓は前立腺肥大がAAS投与群で著明であり、腎臓も肉眼的に増大してきていることが明らかであった。骨格筋においても8週後のA群で腓腹筋の増大傾向が認められている。 病理組織学的、免疫組織学的検索は現在すすめているところである。また血液の生化学的、内分泌学的検索もACTH、コルチコステロン、アドレナリン、ドーパミンなどストレスホルモンも含めて測定中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 立木幸敏, 高橋正人, 河野俊彦: "インターネットによる薬物販売の実態調査-ドーピング禁止薬物を中心に-"国際武道大学紀要. 17. 29-35 (2001)
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[Publications] 河野俊彦, 高橋正人, 立木幸敏: "蛋白同化ステロイド投与による薬物の副作用についての研究"武道・スポーツ科学研究所年報. 7. (2001)