2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680052
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小川 芳徳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70142479)
|
Keywords | マウス / 遊泳運動 / トレーニング / BM-CSF / 脾臓重量 |
Research Abstract |
運動トレーニングが防衛体力に影響を及ぼすことは明らかであるが、「運動」が感染、腫瘍やアレルギーなどに対してどのように関与するのかは未だ不明の点が多い。前回の報告(科研費10〜11年度)ではトレーニング期間2週間から3ヶ月間の遊泳運動群が感染に対して抵抗力を示すという結果を報告した。そこで感染に対する抵抗力が高まる背景を検討するため、血液中のサイトカインであるGM-CSF(Granulocyte Macrophage Colony Stimulating Factor)を測定した。また、免疫処理の場である脾臓についてもその重量を測定した。被検動物はマウスを用い、遊泳運動群、浸水群、そして対照群の3群に分けた。水温は37〜38℃とした。遊泳運動は、1時間/回、3〜5回/週で3ヶ月間行った。最後のトレーニング終了24時間後に心臓採血を行い、ELISA法によりサンプルを処理作成した。測定は比色計(マイクロプレートリーダー:Bio Rad)を用いた。結果:GM-CSFの測定結果には遊泳運動群、浸水群、対照群に統計的に有意な差は見られなかった。しかしながら、生体防御の場である脾臓は、遊泳運動群の重量が、対照群、浸水群に比べ有意に高い値であった。これらの成績から、血液中の顆粒球やマクロファージに対するサイトカインの影響は運動トレーニングによる影響は少ないと推察される。一方、運動トレーニングによる脾臓重量の増大はその役割から生体防御への関与というよりも血液貯留の作用によるものと考えられた。
|