2002 Fiscal Year Annual Research Report
クレアチン経口摂取により女子柔道選手の運動パフォーマンスは高まるか?
Project/Area Number |
13680057
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Research Institution | MEIJI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桑森 真介 明治大学, 商学部, 教授 (10192048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
射手矢 岬 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90292995)
村松 成司 千葉大学, 教育学部, 教授 (40174312)
春日井 淳夫 明治大学, 政治経済学部, 助教授 (80204402)
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Keywords | クレアチン・サプリメント / 間欠的パワー持続能力 / 等速性大腿筋力 / 身体組成 / 女子柔道選手 |
Research Abstract |
I.序論 本研究の主目的は、クレアチン・サプリメントが女子柔道選手の間欠的パワー持続能力および等速性大腿筋力に及ぼす効果について明らかにすることである。さらに、水中体重秤量法、近赤外分光法(NIRS)、血液分析により、身体組成および運動時エネルギー代謝に及ぼす影響についても検討を加えた。本稿では、紙面の都合上、身体組成、間欠的パワー持続能力、および等速性大腿筋力について述べる。 II.方法 対象:学生女子柔道選手6名を被験者とした。 サプリメント摂取方法および測定時期:第1期測定の後、6日間プラセボを摂取(6gのグルコースを1日4回)させ、翌日第II期測定を実施した。その後、6日間クレアチンを摂取(5gクレアチン+1gグルコースを1日4回)させ、第III期測定を行った。 間欠的パワー持続能力:10秒間の最大自転車運動を、20秒間の休息を挟み5回繰り返す測定を実施した。 等速性大腿筋力:サイベックス社製等速性筋力測定装置を用いて、右膝関節の伸展力および屈曲力を測定した。角速度は毎秒0度(アイソメトリック)、60度、180度、300度の4種類とした。 身体組成:水中体重秤量法により測定した。残気量は酸素再呼吸法により測定した。 III.結果および考察 先行研究では、クレアチン・サプリメントにより間欠的パワー持続能力が向上するとされているが、本研究では第1試行目のパワーやパワー低下率(第1試行目-第5試行目)に改善はみられなかった。等速度性大腿筋力については、角速度毎秒180度および300度の伸展力に有意(いずれもP<0.01)な改善がみられた。体重および体脂肪率は、第1期から第皿期にかけて有意(いずれもP<0.05)に増加したが、除脂肪体重は有意な変化を示さなかった。 クレアチン・サプリメントにより筋力が強化されたという報告は比較的少ないが、本研究の結果はそれを支持する。ただし、除脂肪体重には変化がみられず、筋量が増加したことを支持する結果は得られなかった。クレアチン・サプリメントが筋力に及ぼす影響については、今後さらなる検討が必要である。
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