2001 Fiscal Year Annual Research Report
継続的な運動後のアイシング(活動筋冷却)がトレーニング効果に及ぼす影響
Project/Area Number |
13680065
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Research Institution | Aichi Mizuho College |
Principal Investigator |
大西 範和 愛知みずほ大学, 人間科学部, 助教授 (20176952)
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Keywords | アイシング / クライオセラピー / 最大酸素摂取量 / 持久的トレーニング / トレーニング効果 |
Research Abstract |
平成13年度は、健康な成人男子6名を対象に持久的トレーニングを実施し、トレーニング効果に及ぼす活動筋冷却の影響について検討した。トレーニングは、自転車エルゴメータを用い、最大酸素摂取量の70%の運動強度で25分間の自転車運動を、週4回の頻度で4週間行った。冷却は、毎回の運動後、被験者毎に定めた一側下肢を冷水(5±1℃)へ20分間、さらに30分おいて20分間浸す方法をとった。トレーニング期間の前後に、自転車エルゴメータによる漸増負荷法を用い疲労困憊に至るまでの自転車運動を行い、最大酸素摂取量を測定してトレーニング効果について調べた(両脚テスト)。さらに、日を変えて椅座位において左右それぞれの片脚運動を疲労困憊に至るまで行い、それぞれの最高酸素摂取量について、トレーニング効果を冷却側と非冷却側で比較した(片脚テスト)。両脚テストでは、運動持続時間が有意に延長し(p<0.01)、最大酸素摂取量は有意(p<0.05)に増加した。片脚テストにおいては、非冷却側の運動持続時間が有意(P<0.05)に延長したのに対し、冷却側の運動持続時間には有意な変化が認められなかった。トレーニング前後の比で表した最高酸素摂取量増加率は、非冷却側に比べ冷却側で有意(p<0.05)に低かった。以上の結果から、本研究で行った冷却が、持久的トレーニングの効果に対し抑制的な影響を及ぼすことが推察された。このことは、スポーツ活動などの後、アイシングを用いようとする場合、炎症反応の抑制効果とともに、持久的なトレーニングの効果に対する抑制効果がありうることを考慮する必要があることを示唆した。更に詳細について研究を進め、そのメカニズムについて検討するとともに、アイシングの効果的な適用法を見いだす必要があると考えられた。
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