2001 Fiscal Year Annual Research Report
塩水を用いた水中リラクゼーションが自律神経の変化に及ぼす影響
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13680071
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
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Keywords | 塩水 / 水中リラクゼーション / 自律神経 / 重力 / 無重力 / 心拍変動 / パワースペクトル解析 / 静水圧 |
Research Abstract |
水中リラクゼーションは、浮力の影響を受け、無重力に近い環境で行うことができ、かつ水の物理的な影響を受けてより深いリラクゼーション効果が期待できる。そこで塩水における水中リラクゼーション時の心拍数、血圧及び酸素摂取量の変化を明らかにし、自律神経系の動態から塩水のリラクゼーション効果について検討した。対象は、健康成人男性2名、女性4名とした。年齢:25.3±8.3歳(mean±SD)、身長:165.6±8.4cm、体重:65.4±9.9kg、体脂肪率:25.6±4.7%であった。全被験者に研究の目的及び意義について説明し、同意を得た.塩水は,6%Na2SO4水溶液、比重1.05を用いた.水中リラクゼーション(塩水条件)は、浮き具を用いずに仰臥位になり水中心電図のデータから心拍変動パワースペクトル解析を行った。HFを心臓副交感神経系活動、LF/HFを心臓交感神経系活動の指標として用いた。1)心拍数は、塩水条件及び水中条件時においてわずかに陸上条件より低い値を示したが3条件間に有意な差は認められなかった。2)血圧は、塩水条件及び水中条件時においてわずかに陸上条件より低い値を示したが3条件間に有意な差は認められなかった。3)酸素摂取量は、塩水条件及び水中条件時においてわずかに陸上条件より高い値を示したが3条件間に有意な差は認められなかった。4)HF成分のnuは、陸上条件時と比較して塩水条件、水中条件時に有意に高い値を示した(p<0.05)。5)LF/HFは、陸上条件時と比較して塩水条件、水中条件時に有意に低い値を示した(p<0.05)。塩水を用いた水中リラクゼーションは、筋弛緩の効果、無重力に近い環境や静水圧などの水の持つ物理的特性と副交感神経系の働きにより、高いリラクゼーション効果を得ることが期待できると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sho Onodera, et al.: "Effects of water depth on abdominals aorta and inferior vena cava during standing in water"Journal of Gravitational Physiology. 8・1. 59-60 (2001)
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[Publications] Masahiro Nishimura et al.: "Effects of water temperature on cardiac autonomic Nervous system modulation during supine floating"Journal of Gravitational Physiology. 8・1. 65-66 (2001)
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[Publications] 小野寺 昇 他: "自閉症児のための水中運動を活用したリハビリテーション・プログラムの実践と評価"水泳水中運動科学. 4. 21-24 (2001)