2001 Fiscal Year Annual Research Report
中高年者のローイング運動による有酸素運動とレジスタンス運動の効果に関する研究
Project/Area Number |
13680077
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
樋口 満 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 部長代理 (20192289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 雅雄 鹿屋体育大学, 海洋スポーツセンター, センター長・教授 (40199790)
川上 泰雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60234027)
岡 純 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 応用栄養学研究部, 部長代理 (30194327)
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Keywords | ローイング / 中高年者 / 運動負荷テスト / 酸素摂取量 / 心拍数 / 脚筋力 |
Research Abstract |
初年度はまず、ローイング運動が中高年者の呼吸循環器系応答(最大酸素摂取量:Vo2maxと心拍数:HR)に及ぼす影響を明らかにするために、中高年男性ボート選手(N=10,年齢62±2歳、体重72±5kg,パフォーマンス・タイム495±15sec)とパフォーマンスが中高年ボート選手と同レベルの若年男性ボート選手(N=10,21±1歳,61±6kg,494±14sec)、及びレベルの高い若年男性ボート選手(N=10,22±1歳,80±8kg,387±6sec)を対象として、ローイング・エルゴメータを用いた漸増負荷テストを行った。中高年ボート選手の最高心拍数(HRmax)は両若年ボート選手と比べて著しく低くなっていた(169±4vs.189±7,188±7bpm, P<0.01)。中高年ボート選手のVo2maxは高レベル若年ボート選手に比べて有意に低かった(3.3±0.4vs.5.1L/min, P<0.01)。一方、中高年ボート選手のVo2maxはパフォーマンスを一致させた若年ボート選手の値(3.1±0.3L/min)と同レベルであった。この結果から、ローイング・パフォーマンスはVo2maxと極めて高い相関関係があることが確認された(r=-0.97,p<0.001)。本研究は中高年ボート選手のローイング・パフォーマンの低下は加齢こ伴うHRmaxの減少と関連したVo2maxの低下を反映していることが示唆された。また、若年ボート選手を対象として、ローイング・パフォーマンスと脚筋力の関係を検討した結果、高い正の相関関係を認めた。 さらに、ローインク運動の呼吸循環器系応答の特徴を明らかにするため、若年ボート選手を対象として、ローイング・エルゴメータによる漸増運動負荷テストを行い、トレッドミルを用いた負荷テストにおける酸素摂取量と心拍数の応答を比較検討した。その結果、Vo2maxはローイングの方がランニングよりも約3%高くなっていたが、HRmaxはむしろ低くなっていた。最大下(@4mMLa,@6mMLa)においてもVo2とHRの関係は最大負荷レベルと同様な傾向が認められた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoshiga C, Higuchi M: "Heart rate is lower during ergometer rowing than during treadmill running"European Journal of Applied Physiology. (in press). (2002)
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[Publications] Yoshiga C, Kawakami Y, Okamura K, Oka J, Higuchi M: "Serumlipoprotein cholesterols in male collegiate rowers"Advances in Exercise and Sports Physiology. 7(1). 33-37 (2001)
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[Publications] Terada S, Yokozeki T, Kawanaka K, Ogawa K, Higuchi M, et al.: "Effects of high-intensity swimming training on GLUT-A and glucose transport activity in rat skeletal muslce"Journal of Applied Physiology. 90(6). 2019-2024 (2001)
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[Publications] Wu J, Wang X, Takasaki M, Ohta A, Higuchi M, Ishimi Y: "Cooperative effecrts of exercise and genistein administration on bone mass in aovariectomized mice"Journal of Bone and Mineral Research. 16(19). 1829-1836 (2001)
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[Publications] 樋口 満, 田畑 泉, 吉武 裕, 西牟田守, 太田壽城: "水泳運動が閉経後女性の有酸素性能力と血中脂質・リポ蛋白プロフィールに及ぼす影響"体力科学. 50(2). 175-184 (2001)
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[Publications] 小林修平, 樋口 満 他15名: "アスリートのための栄養・食事ガイド"第一出版. 134 (2001)
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[Publications] 樋口 満, 池本真二 他6名: "コンディショニングとパフォーマンス向上のスポーツ栄養学"市村出版. 152 (2001)