2001 Fiscal Year Annual Research Report
土壌菌核様粒子内の微生物フロラとその形成環境要因の解明
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13680102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 眞紀子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10175119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 寛行 茨城大学, 農学部, 助教授 (80168947)
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Keywords | 菌核様粒子 / 表面構造 / 元素分析 / アルミニウム |
Research Abstract |
本年度は、新潟県妙高山および長野県根子岳土壌より採取された菌核様粒子と土壌の性状について調べた。菌核様粒子の同定は、直径1〜5ミリメートル、金属光沢を有する黒色球状体であり、かつ特有の内部壁構造(中空もしくは充填)をもつものとして光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープVH-7000、今年度購入)によって行った。走査型電子顕微鏡を用いて外部・内部の表面構造の特性を観察したのち、併用のX線元素分析装置で元素分析を行った。その結果、菌核内部におけるアルミニウムの濃縮が普遍的に認められた。また特定の土壌層位から採取された菌核の内部には塩素が特徴的に検出された。土壌性状を調べた結果、非アロフェン質土壌(ピロリン酸ナトリウム可溶アルミニウムAlp/酸性シュウ酸塩可溶アルミニウムAlo>0.5)で菌核密度が大きくなること、交換性アルミニウム(Al^<3+>)と菌核質量には正の相関があることが明らかとなった。ドイツ・ハーツ山地ポドゾル-褐色レシベ土の土壌系列で調査を行い、菌核および土壌の特性比較を行った。その結果、本土壌から検出される菌核にもアルミニウムの濃縮が認められた。さらに、土壌性状を調べた結果、菌核形成環境要因として、交換性アルミニウム(Al^<3+>)の直接的な関与の可能性が指摘された。次年度は、菌核内部の微生物フロラ解析を進め、菌核と土壌の性状との関係を考察する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大石 箪平, 渡邊眞紀子, Pott, A., Hardenbicker, U., 青木久美子, 藤嶽暢英: "ドイツ・ハーツ山における菌核様粒子の分布と土壌の性状"日本土壌肥料学会講演要旨集. 47. 128 (2001)
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[Publications] Watanabe, T., Fujitake, N., Ohta, H., Yokoyama, T.: "Aluminium concentrations in Sclerotia from a buried humic horizon of volcanic ash soils in Mt. Myoko, Central Japan."Soil Science Plant Nutrition. 47. 411-418 (2001)