2001 Fiscal Year Annual Research Report
生活騒音が居住者に及ぼす生理的心理的影響と住宅性能表示への適用に関する研究
Project/Area Number |
13680117
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩重 博文 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20034390)
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Keywords | 生活騒音 / 終日測定 / 暴露量 / 快適感 / 評価 |
Research Abstract |
本研究では,日常生活における生活音(生活騒音)の綿密な時間経過に基づく調査を行った。特に,生活者の1日24時間の生活行為を記録し,その行為時の生活者の周囲騒音(肩の位置)を時々刻々終日測定している。これらより、生活者が1日に被爆する騒音の種類とその大きさが明確になった。測定は,等価騒音レベルLeq(dBA)と中央値L_<50>(dBA)の2種類で行った。また,各騒音レベル毎の時間率に対する暴露量を確認することができた。終日測定によると,最大騒音レベルは100〜110(dBA)であった。また,24時間等価騒音レベルはほぼ60〜80(dBA)であった。終日等価騒音レベルが80(dBA)以上の音環境で生活を続けると聴力が衰える危険性があるが,今回の被験者では2名の特例を除いて80(dBA)以下であった。 騒音レベル計測中,30分毎に,音に関する評価を生活者(被験者)自身に行ってもらった。音に関する評価は3種類あり,(1)「音の大きさ」に関するもの,(2)「快適感」に関するもの,(3)「音の評価」に関するものである。「音の大きさ」については,実際に聞いた音を「大きい〜小さい」までの5段階で受け取り評価した。「快適感」については,聞いている音に対して如何に感じるか「快適〜不快」までの5段階で評価した。「音の評価」については,現在聞いている音に対して「音が大きい方がよい〜静かな方がよい」までの5段階で評価している。騒音レベルが大きくなれば「音の大きさ」評価も大きいとの回答が一般的であるが,騒音種類の性質によっては,そうならない場合もありうる。「音の評価」においては,「静かな方がよい,丁度よい」で5割以上の回答に達しており,日常の生活騒音はやや大きめに発生していると推察される。また,思考をともなう作業中は比較的小さい50(dBA)でも「やや不快」と感ずることがある。
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