2003 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングによる着心地のダイナミックスな計測法の確立と評価システムの開発
Project/Area Number |
13680132
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
多屋 淑子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20120777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
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Keywords | 着心地 / 衣服内環境 / 温度 / 湿度 / 連続計測 / センサ / 無線 / テレメトリー |
Research Abstract |
本研究は衣服に対する主観的であいまいな着心地を客観的に定量化するための方法を確立することを目的としている。 平成13年度は応答性の高い湿度センサの開発および改良を行い、日常生活における衣服内環境の連続的な変化を計測する可能性、およびリモートモニタリングシステムについて検討した。平成14年度はこれらの計測法を用いて衣服の通気抵抗を変化させたときの衣服内温湿度を数時間単位で連続モニタリングし、着衣量や環境気温の変化に伴う衣服内環境の変動について検討した。 今年度は健常者の衣服内環境を24時間連続モニタリングすることにより、日常生活における身体活動と精神活動の変化に伴う衣服内環境の挙動について検討した。加えて、寝たきりで身体活動がほとんどない重度の知的障害を持つ重症心身障害者の日常生活時の衣服内環境と生体情報について48時間の連続モニタリングを行い、健常者との相違について検討した。健常者の場合、日常生活時の衣服内温湿度は着衣量と外部環境だけでなく身体活動と精神活動の影響を受けて大きく変動した。同時に記録された行動記録から衣服内温湿度の変動幅は同程度の身体活動時でも異なることが観察され、精神活動や不快のレベルに影響されていると考えられた。また、室内温熱環境や着衣量、寝具が一定に維持された寝たきりの重症心身障害者においても健常者と同様の衣服内温湿度の変動がみられ、重度の知的障害を持つ障害者の場合も精神活動が衣服内環境に反映されていることが予測された。個々の障害の程度により生体リズムに特徴がみられ、それが衣服内環境の挙動にも影響を与えている現象が観察された。本計測手法による結果から、健常者のみならず、自身では主観的要求を表現できない障害者や高齢者においても衣服内環境の変動が精神的ストレスやその度合いを客観化する指標となり得ることがわかった。
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