2003 Fiscal Year Annual Research Report
人体と環境との熱収支媒体としての着衣における空隙の定量化に関する研究 -着衣の揺動が空隙分布に及ぼす影響-
Project/Area Number |
13680135
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
冨田 明美 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (60065042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 晃 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10021594)
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Keywords | 着衣 / 胴部衣服 / パターン / 3D-digitizer / 空隙容積 / 空隙面積 / 基体 / 風 |
Research Abstract |
1.生体における着衣の空隙量測定に関する研究 冨田 明美 胴部周径に0、12、24cmのゆとりを設定した3種の衣服を設計・製作し、青年女子2名を被験者として、着衣下に形成された空隙量を3D-digitizerにより計測した。1体につき、30°毎、12方向からの画像と立体に合成するための基準マークを1方向画像に最低5点設定すれば、生体が対象であっても精度の高い合成画像が得られることを確認した。着衣時と裸体時の合成画像の断面形状から、3D-digitizer専用ソフトを用いて静止時の着衣空隙容積を求めた結果、ゆとり量が多いほど容積が大きくなる傾向が認められ、空隙容積はパターン面積に比例して増加することが明らかになった。 空隙量の動作的・温熱的性能について、上肢挙上時の圧迫感は空隙量が多い着衣ほど小さく、寒・暑感は空隙量が少ない着衣の方が暑い側に評価される傾向がみられた。そして、空隙容積が中程度の着衣は、快適性の評価が最も高いことがわかった。 2.有風下における静止時の着衣揺動と空隙量変化に関する研究 中山 晃 風による布の揺動を定量的に把握するために、先年度に作製した層流の風を発生させる風洞装置を用い、垂直に設置した直径9cmの円筒基体の周囲に種々の間隙量を与えてセットした各種布の裾部分の揺動パターンおよび円筒基体と布との空隙面積の経時的変化について検討した。 その結果、風による布の揺動は布の通気性および剛軟性によっておよそ3種のパターンに大別され、円筒基体と布との空隙面積は揺動パターンにより異なるが、いずれも周期的に変化することを明らかにした。そのとき、空隙面積の変動率はいずれも布の通気度および剛軟度と高い相関性をもつことの知見を得た。
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