2002 Fiscal Year Annual Research Report
混合ゲルのレオロジー特性に及ぼす二相分散構造の影響とその高齢者用食品への応用
Project/Area Number |
13680142
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
藤井 恵子 日本女子大学, 家政学部, 講師 (20186480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 勝英 山形大学, 教育学部, 教授 (20011968)
高木 稚佳子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (60120771)
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Keywords | 混合ゲル / 寒天 / ゼラチン / 二相分離構造 / 破断特性 / 破断応力 / 物性 |
Research Abstract |
1.目的 非相溶性素材からなる複合材料の物性は組成のみならず相分離構造にも依存することが知られている。本研究では、相分離を充分に進行させて海島構造を形成させることによって、同一組成であっても相分離構造の異なる寒天/ゼラチン混合ゲルを調製し、その物性と相分離構造との関係を明らかにすることを目的とした。 2.方法と結果 寒天濃度を0.7%に設定し、これと破断応力が等しくなるようにゼラチンは4.5%に設定した。両試料を別々に加熱・溶解させ、60℃で混合後冷却し、所定温度にて1時間撹拌しながら保持して、10℃まで冷却しゲル化させた。保持温度は40℃、35℃、30℃、25℃、20℃、15℃とした。寒天:ゼラチンは25:75、50:50、75:25の割合で混合した。この方法によりゼラチンの連続相に寒天が分散した混合ゲルを調製することができた。ゼラチン単独ゲルについては大変形領域まで応力-歪曲線がBST式で表現できることが知られているが、混合ゲルについては、歪が大きくなると途中からBST式から外れ、シグモイド型の破断挙動を示しそして破断することがわかった。寒天を分散させることによりゼラチンゲルの破断応力は顕著に低下し、分散粒径が大きくなるに従い破断応力は低下した。BST式が当てはまらなかった混合ゲルの破断カーブは、σ=exp(-k・ε^n)と表されることがわかった(k:かたさ、n:非線形性パラメーター、ε:ひずみ、σ:応力を表す)。非線形性パラメーターnと破断応力を用いて混合ゲルのテクスチャーマップを作成することを試み官能検査の結果と比較したところ、破断応力がほぼ等しくても非線形性パラメーターnが異なると官能検査の結果に違いが見られ、破断応力と非線形性パラメーターnでテクスチャーを評価すると、よりきめの細かいガイドラインができる可能性が示された。
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