2001 Fiscal Year Annual Research Report
ふなずし中の各種成分の熟成による消長ならびに機能性の検討
Project/Area Number |
13680147
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
成田 美代 三重大学, 教育学部, 教授 (70021384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 由香 三重大学, 教育学部, 助教授 (80218544)
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Keywords | ふなずし / 成分 / 微生物 / 熟成 |
Research Abstract |
ふなずしは塩漬けした鮒を飯に長期間漬け込んで発酵させた馴れずしである。滋賀県下では古くから漬けられ、様々な行事のご馳走として欠かせないものであったが、近年、食品の流通機構の発展や、食品の保存方法・加工技術の進歩から、ふなずしのような伝統食品が受け継がれにくくなる傾向にある。そこで、本研究では、ふなずし熟成過程における一般成分の移動と消長について分析を行った。その結果、水分は魚肉・卵巣において徐々に減少した。タンパク質は魚肉においてわずかに減少したが、飯においてはわずかに増加した。脂質は個体差が大きく、魚肉、卵巣での変化は明確でなかったが、飯ではわずかに増加した。灰分は魚肉と卵巣においては共に減少し、飯では増加する現象が見られ、特に塩漬けふなから1ケ月めの試料において、ふなから飯への移行が顕著に見られた。総アミノ酸量は魚肉・卵巣・飯のいずれにおいても増加が見られた。ほとんどのアミノ酸は熟成中に増加したが、グルタミン酸、アルギニンは熟成期間を通して著しく減少した。 また、熟成に関与する微生物についても分析を行ったところ、魚肉中の細菌の生菌数は本漬け後、1ケ月で10^7オーダーまで大きく増加し、乳酸菌および嫌気性細菌はその後10^8オーダーまで達し、好気性細菌は10^4まで減少した。米飯中の乳酸菌および嫌気性細菌の生菌数は本漬け後、10^8オーダーでありその後の増減の傾向は魚肉と類似していた。また、すべての期間において、米飯中の生菌数は魚肉中の生菌数よりも1オーダー高かった。熟成期間中に観察された微生物を同定したところ、乳酸菌はヘテロ発酵型のLactobacillus buchneriであることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)