2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680152
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
水上 戴子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (50031688)
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Keywords | ラット / 妊娠期 / 授乳期 / エネルギー制限 / ダイエット / 発育 |
Research Abstract |
妊娠期と授乳期においてエネルギー制限によるダイエットを行った場合、母子にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。ラットの妊娠期および授乳期にエネルギーのみを15%、30%、50%の3段階で制限した場合に、母体については妊娠維持や分娩が可能なのか、さらに、子については離乳まで生存が可能なのか、新生子と乳子、離乳後の5週齢子の発育に及ぼす影響を検討した。 カゼイン20%食にメチオニンを添加した食餌を対照群(C群)とし、エネルギーのみを15%制限した群をR15群、30%制限した群をR30群、50%制限した群をR50群とし、各々の食餌を妊娠期・授乳期を通して投与した。得られた結果は以下の通りである。 すべての群において妊娠維持、分娩、離乳までの哺育は可能であった。母体への影響は、妊娠期においては、母体への蓄積量(分娩直後の体重-妊娠初体重)はC群、R15群、R30群にはみられたが、R50群ではマイナス量であった。授乳期にも引き続きエネルギー制限を続けると、全ての制限群で体重や肝臓重量が減少し、母体に大きな負担をかけることが明らかとなった。子に対する影響は新生子では、R30群、R50群に発育の遅れがみられた。離乳子ではすべての制限群で発育の遅れが認められ、制限の割合(%)が大きい群ほど発育の遅れは大きくなった。離乳後の5週齢子においては、R50群に発育の遅れが認められた。このことより、15%、30%のエネルギー制限であれば、離乳後に発育の遅れを取り戻す可能性があるが、50%制限の場合はその後も影響が残るのではないかと考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 河原 尚子, 澤入 典子, 出川 洋子, 水上 戴子: "ラットの妊娠期及び授乳期におけるエネルギー制限が母子に及ぼす影響"家政学研究(奈良). 48巻・1号. 1-9 (2001)