2001 Fiscal Year Annual Research Report
甲殻類における共通主要アレルゲン、トロポミオシンに関する研究
Project/Area Number |
13680157
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
木本 眞順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 あい 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (50275369)
渕上 倫子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60079241)
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Keywords | エビアレルゲン / トロポミオシン / モノクローナル抗体 / サンドイッチELISA / IgE抗体 |
Research Abstract |
近年、我が国においては乳幼児を中心にアトピー性皮膚炎に代表されるアレルギ疾患と診断される患者の増加が厚生労働省の調査でも指摘されている。これまで、その原因物質として我々の食生活において主要なタンパク質源である牛乳、卵、大豆、米、小麦がくしくも5大アレルギー食品として認識されてきた。しかし、平成10年度の食物アルルギー対策検討委員会報告書によると大豆、米に替わってソバ、エビが5大アレルギー食品に加えられた。このような時代によるアレルギー原因食品の変遷は食生活の変化が重要な因子となる。特にエビについては、小児期から成人に至る長年に渡ってその原因食品となり、症状も重篤なことから患者の忌避食品として最上位に上げられているが、アレルゲンの本体については充分に明らかにされていない。本研究においては、エビのアレルゲン成分を明らかにすることから始め、平成13年度に計画した実験項目をすべて遂行し、以下の結果を得た。 1、数名の患者血清を用いてエビアレルゲンのスクリーニングを行った結果、すべての患者において唯一トロポミオシンがアレルゲン成分として同定された。 2、日本人が常食している車エビ、ブラックタイガーより単離したトロポミオシンを免疫原として、細胞融合法によりモノクローナル抗体を作製した。その結果、それぞれのトロポミオシンに対して、一種類ずつのモノクローナル抗体を得た。一方、車エビトロポミオシンをウサギに免疫し、その抗血清からポリクローナル抗体を精製した。 3、上記にて得たモノクローナル抗体とポリクローナル抗体を組み合わせたサンドイッチELISA法を確立し、異なる種類のエビのトロポミオシンを一様に測定できる微量定量法を開発した。本法における検出限界は1ng/mlであった。
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