2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680170
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Research Institution | Kanto Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
和田 淑子 関東学院女子短期大学, 家政科, 教授 (90123207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 温子 戸板女子短期大学, 食物栄養科, 助教授 (20320781)
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Keywords | 吸湿 / 市販菓子 / 破断特性 / 吸着水分量 / 糊化 |
Research Abstract |
本研究は、微量な水分移動に伴う食品のテクスチャー変化とその変化要因を明らかにし、保存時の吸湿による食品の嗜好性低下や品質劣化の抑制を図ることを目的とした。 小麦粉、小麦粉以外のでんぷん性素材、天然食品素材を主原料とする市販菓子数十種を試料とし、R.H.7.6〜97.0の相対湿度環境下に保存した場合の試料の破断特性値の変動と試料の水分吸着量ならびに加水特性値(アミロース溶出率・膨潤度・粘度)との関連性を検討した。 低湿度域(R.H.32%以下)では、全試料とも吸湿による硬さの変化はきわめて小さく、破断特性値が変化し始める中湿度(R.H.43〜56%)において軟化するグループと硬化するグループに分かれ、高湿度域(R.H.88〜97%)で全試料とも軟化した。破断応力、破断エネルギー値が増大して硬化ピークに達する時点で、吸着水分量が低いのはクッキー、ビスケット、クラッカー類、吸着水分量が多い割に軟化せず、むしろ水分を吸って硬くなる傾向が目立つのは煎餅類であった。吸湿後に硬化して破断特性値が大となる試料は加水特性値も大きく、でんぷんの糊化度と吸湿後の硬さの間に密接な関係がみられた。また、脂質含量の多い試料は糊化度が低くて吸湿による軟化が早く、食物繊維を含む試料は概して水分吸着量が多く、破断特性値に特異性がみられた。吸湿による破断特性値の変化とでんぷんの糊化、水の状態変化、食品のガラス化の観点から、さらに実験を継続中である。
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