2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680170
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
和田 淑子 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (90123207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 温子 戸板女子短期大学, 食物栄養科, 助教授 (20320781)
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Keywords | 吸湿 / 市販菓子 / 加工でんぷん / 破断特性 / 糊化 / 吸着水分量 |
Research Abstract |
前報告に続き、微量水分吸着による食品の破断特性値の変化と、その変化要因を明らかにする目的で実験を行った。小麦粉、米、とうもろこし、じゃがいもを主原料とする市販焼成菓子21種類および野菜・いも・果物チップ6種類について、吸湿による破断曲線の変化を検討した。 R.H.68〜88%の高湿度域において試料間の硬さの差が拡大すること、硬さとでんぷんの糊化度との間に高い正の相関があることを明らかにするとともに、硬化要因としてでんぷんの充填補強効果とそれに伴う束縛水量の増加が考えられるとする前回の推論が裏づけられた〔日食科工誌49,771〜781(2002)〕。 吸湿による糊化でんぷんの補強効果をさらに明確にすることを目的に、加熱により糊化しやすいタイプ(WO-10,WPO-10){低粘性の糊化タイプ(W-α)、糊化しにくくて老化の早いタイプ(W-P, W-7)の各種加工でんぷんを用い、加水率の異なるクッキー様焼成品を調製し、水分吸着による物性変化を検討した。その結果、でんぷんの種類、加水条件により硬さのピーク位置と高さに差があること、WPO-10、WO-10が最も硬くてW-αがこれに次ぎ、硬いものほど硬さのピークが高湿度側にシフトすること、R.H.80〜88%で試料間の硬さの差が最大となることが確認できた〔日本調理科学会14年度大会発表〕。 また一方で、各試料の吸・脱着曲線より単分子・多分子層吸着水量を求め、束縛水量の増加が水分吸着による硬化エリアを出現させて試料の軟化を遅らせること、水分活牲の低下に串よって自由水の減少が実証できることを明らかにしようと試みている。すなわち、吸湿時のマクロな状態変化が水と固体とのミクロな変化によって説明できるよう検討段階にある。
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Research Products
(1 results)