2002 Fiscal Year Annual Research Report
発酵食品における生理活性物質の探索と健康・機能性食品の開発
Project/Area Number |
13680172
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
岡村 徳光 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 助教授 (20211807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大杉 匡弘 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70085231)
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Keywords | 発酵食品 / 生理活性物質 / 健康食品 / 機能性食品 / 微生物 / 担子菌 / 抗トロンビン活性物質 / 線溶酵素 |
Research Abstract |
近年、心筋梗塞や脳血栓などの血栓症およびガンが急増し、社会的に重大な問題となっている。そこで本研究では、種々の発酵食品の生理活性物質を検索し、薬用効果を明らかにするとともに、生理活性物質を有する微生物を用いた新規な発酵食品への応用を試みた。したがって、本研究の主目的は、血栓症およびガンに対して予防効果を示す健康・機能性食品の開発にある。本研究の主要な実験は、種々の微生物における生理活性物質の分離・同定、血栓症およびガン予防食品の開発である。平成14年度は、血液関連生理活性物質生産菌およびこれまでに同活性物質を有することを明らかにした担子菌の有効成分の同定であった。マスタケにおける抗トロンビン活性物質はマスタケが培養液中に生産するシュウ酸であることが明らかとなった。他の担子菌については、現在検討中である。また、担子菌を含む血液関連生理活性物質生産菌における発酵食品製造に必要な酵素活性を調べ、活性を有する菌株を使用して清酒、ビール、ワイン、納豆、味噌、チーズをはじめ、茶葉、芋(さつまいも)、肉(牛肉)における発酵食品への応用を試みた。その結果、それぞれの原料で生育し、線溶活性および抗トロンビン活性の両方に高い活性を示したものは、いずれも野生種の担子菌で、茶ではK113、芋(サツマイモ)ではW141-2-2、肉(牛肉の薄切り)ではW533であった。以上のことから、担子菌の発酵能による新しい発酵食品の開発として、茶、芋、肉が利用可能であることが明らかとなった。
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