2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本近世食文化の実証的研究-食料残滓解体痕跡と食具使用痕跡の分析を中心として-
Project/Area Number |
13680182
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
富岡 直人 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (90241504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 信彦 くらしき作陽大学, 食文化学科, 助教授 (90167370)
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Keywords | 食文化 / 食掛残滓 / 食具 / 近世 / データベース / 微小部形状 / 脆弱資料 |
Research Abstract |
研究実績の概要 初年度に実施したデータの整理と自然科学分析システムを利用したデータ収集を展開し、来年度の報告書にむけた分析を実施した。 切創や使用痕跡の分析では、初年度本研究課題で購入した微小部形状測定用高精度CCDレーザー変位計と富岡・北野各研究室に装備された顕微鏡類や科学分析装置類・計測器具を使用し、データの蓄積を図った。 具体的には、北海道千歳市オサツ2遺跡、宮城県仙台市青葉城二ノ丸跡、同市養種園遺跡、同市北目城跡、新潟県糸魚川市近世遺跡群、同県日東道遺跡、同県新発田城、岡山県倉敷市下津井城、同県岡山市岡山城二ノ丸跡、同市天瀬遺跡、香川県高松市高松城、兵庫県明石市明石城跡武家屋敷、同県姫路城、京都府京都市近世遺跡群の資料について分析を実施した。 分析結果のデータベース製作は、既に初年度にも開始しているが、引き続き平成8〜10年度に実施した『遺存体データベースからみた縄文・弥生時代生業構造の変化』(富岡直人代表・研究経費総額230万円)で購入した情報機器類の資産を活用し、新データの登録を行なった。 本課題において、特に上記遺跡出土の脊椎動物遺存体の種構成が明確となり、さらにそれらの残滓に残された切創類の微小形態データの蓄積が図られ、各遺跡での、「切る、削ぐ、叩き割る」といった加工処理工程のあり方が明確に把握された。 本研究課題の成果は既に「動物遺存体出土遺跡の形成過程分析」『韓日新石器文化学術シンポジウム発表資料集』と「脊椎動物遺存体画像と切創に関するデータベース構築」『日本文化財科学会第19回大会発表要旨集』において逐次公表しており、今後も論文として学会誌に投稿する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 富岡直人: "動物遺出土遺跡の形成過程分析"韓日新石器文化学術シンポジウム発表資料集. 4. 69-84 (2001)
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[Publications] 富岡直人, 上岡真帆他: "脊椎動物遺存体画像と切創に関するデータベース構築"日本文化財科学会第19回大会研究発表要旨集. 19. 170-171 (2002)