2001 Fiscal Year Annual Research Report
知の創造を図る協同的な教授学習システム及び教師支援プログラムの開発
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13680190
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
清水 誠 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (30292634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片平 克弘 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70214327)
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Keywords | 理科教育 / 協同的な学習 / 相互作用 / 知の構成 / 子どもの学び / 教授学習モデル / 教師教育 |
Research Abstract |
本研究は、近年注目されるようになった学びにおける社会性や社会的相互作用の研究を踏まえ、知が他者との相互作用の中で構成される過程を明らかにし、科学観・授業観の転換に基づく新たな協同的な教授学習モデルの構築と具体的かつ実践的な教師支援プログラムの開発・提供を目的としている。 本年度は、協同的な学習に関する国内外の研究の理論的背景と手だてを総括し、教授学習理論の構築を行った。また、小集団学習の現状調査と協同的な学習による授業を試行した。 協同的な学習の先行研究を調べた結果からは、日本では高旗(1978)の自主協同学習、相沢(1970)の自主的協同学習、末吉(1967)らの自発協同学習が提案されており、協同学習とは呼ばれていないが塩田により開発されたバズ学習も協同的な学習に含めることができた。また、アメリカ合衆国ではジョンソン兄弟らが開発したラーニングトゲザー(1975)アロンソンらが開発したジグソー(1978)、スレイヴンが開発したSTAD(1978)、シャランらが開発したGI(1980)等の多様なコーオペレーティブ学習をみることができることが分かった。しかし、これらの研究には現代的な科学観や認知科学の研究の成果を踏まえ子どもが他者との関わりの中からどのように知を構成していくのか、その手だてをどのように取るかについては十分検討されていないことが分かった。一方、小集団で行われている学習状況の調査からは、多くの教師がグループ学習を取り入れる理由は、実験器具、施設などの不足を補うためであり、話し合いで理解が深まったり、科学的な見方が深まると期待している教師は少ないことが分かった。そこで、グループ構成が協同的な学習に及ぼす効果やこれまでの研究成果を踏まえ試案を構築した協同的な学習の実験授業を実施し、その成果を学会等で発表してきた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 清水 誠: "魅力ある理科授業をつくる"理科の教育. 585・Vol.50. 4-7 (2001)
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[Publications] 清水 誠: "他者との関わりの中で生まれる学びとは"初等理科教育. Vol.35・No.12. 4-7 (2001)
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[Publications] 清水 誠: "新学習指導要領理科と実践上の課題"日本科学教育学会年会論文集. 25. 315-318 (2001)
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[Publications] 塚田昭一, 清水 誠: "理科授業におけるコーオペレーティブ学習の有効性に関する実証的研究"日本理科教育学会第51回全国大会広島大会要項. 138 (2001)
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[Publications] 清水 誠, 佐國勝, 小峰香織: "グループ編成と理科授業"日本理科教育学会第51回全国大会広島大会要項. 139 (2001)
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[Publications] 清水 誠, 舘野俊之, 高橋正季: "理科授業における実践的授業力量-授業観察後の思考過程の検討-"日本理科教育学会第51回全国大会広島大会要項. 194 (2001)
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[Publications] 佐國 勝, 清水 誠: "協同的な学習が及ぼす効果"日本理科教育学会第40回関東支部大会研究発表要旨集(山梨). 45 (2001)
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[Publications] 清水 誠, 佐國 勝: "ものづくり及びスケッチによる観察能力の比較研究-葉のつき方の観察を事例にして-"日本生物教育学会第72回全国大会研究発表要旨集(静岡). 52 (2002)