2002 Fiscal Year Annual Research Report
知の創造を図る協同的な教授学習システム及び教師支援プログラムの開発
Project/Area Number |
13680190
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
清水 誠 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (30292634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片平 克弘 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70214327)
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Keywords | 理科教育 / 協同的な学習 / 相互作用 / 知の構成 / 子どもの学び / 教授学習モデル / 教師教育 |
Research Abstract |
本研究は、近年注目されるようになった学びにおける社会性や社会的相互作用の研究を踏まえ、知が他者との相互作用の中で構成される過程を明らかにし、科学観・授業観の転換に基づく新たな協同的な教授学習モデルの構築と具体的かつ実践的な教師支援プログラムの開発・提供を目的としている。 本年度は、協同的な教授学習システムの構築に向けて、1.協同的な学習に関する教授学習理論の検討を行う。2.協同的な学習を支援する評価システムの開発と試行を行う。3.協同的な学習の授業実践とその分析・評価を行うの3点から研究を行った。 初年度の先行研究の分析に基づき、本研究で示す協同的な学習とは、理論は解釈であるとする相対的な科学観に依拠し、相互に関わり協力する中で自らの知を構築していく学習であるとした。協同して学習する際の基本として、個人の責任を明らかにし、振り返りの活動を重視することをあげ、その中で他者と関わる技能も身に付けさせることを取り上げた。こうした協同的な学習の授業実践の中から得られてきた知見は、知を構築していくには、(1)自分の考えを明確にし、他者の考えが見えるようにすることが必要である(外化、外化物)、(2)情報を収集する場を用意し、調べた情報をもとに話し合いをさせる必要がある(事前の知識)、(3)グループは、小学校段階では等質、中学校段階では異質のメンバーで編成することが有効であるの3点である。また、協同的な学習の中で学びを深めていくには、児童生徒が何をしたいのかと同時に、評価指標を創出し、どこまでできればよいのかを明確にしていくことが必要であることも明らかにしてきた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 清水 誠: "教師が保持する科学観と理科授業の実態"理科教育学研究. VoL42・No.2. 43-50 (2002)
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[Publications] 清水 誠: "新学習指導要領「理科」実施上の課題-小・中学校の教師が指導上困難を感じる事項の調査から-"科学教育研究. Vol.26・No.2. 144-152 (2002)
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[Publications] 清水 誠, 小峰香織: "グループ構成が話し合いに及ぼす効果"埼玉大学紀要教育学部(教育科学). 51巻・2号. 1-8 (2002)
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[Publications] 清水 誠: "何のために評価し、どのように評価を行うか"楽しい理科授業. 34巻・8号. 50-54 (2002)
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[Publications] 清水 誠, 塚本昭一, 小幡恵子: "話し合い活動が生徒の学びに与える効果"日本理科教育学会第52回全国大会横浜大会要項. 52. 123 (2002)
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[Publications] 清水 誠: "モデルづくり及びスケッチによる観察の効果についての比較研究"日本科学教育学会年会論文集. 26. 345-346 (2002)
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[Publications] 清水 誠, 鈴木香織: "動物概念形成のための指導方法の開発"科学教育研究. Vol.26・No.5. 51-59 (2003)
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[Publications] 片平 克弘: "変わる理科教育の基礎と展望「理科におけるポートフォリオ評価」"東洋館出版杜. 14,170-183 (2002)
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[Publications] 片平 克弘: "これからの理科授業実践への提案「授業デザインの視点から見た学びの評価とその実践」"東洋館出版杜. 4,166-169 (2002)