2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680195
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Research Institution | TOKYO GAKUGEI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 美憲 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90226259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 享史 山梨大学, 教育人間学部, 教授 (70303394)
藤井 斉亮 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60199289)
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Keywords | 数学 / 授業分析 / 国際比較 / TIMSS / 国際情報交換 / オーストラリア / 数学教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は,わが国の中学校数学科における授業の特徴を,学習者の観点からとらえた授業データの収集と分析を中心とする国際比較を通して解明し,数学科における望ましい指導のための基本的な指針を明らかにするとともに,数学科教員養成のあり方に対する提言を行うことである。 上記の目的のために,平成15年度は,オーストラリア・ドイツ・日本・アメリカの数学科授業データについて,その構造的特徴の分析を行い,結果を比較した。考察の結果,上記4カ国の授業を一連の授業系列のなかでみると,いずれも単一の型(「パターン」)には収まりにくい多様な様相を示すことが確認された。この結果は,TIMSSビデオスタディで特定された「授業の型」の意味を再考して授業の新しい分析単位を設定する必要があることを示している。本研究では,授業の特徴を国際比較によって解明するための新しい手法として,観察上同一にみえる事象を特定し,その事象の形態と機能,および当事者の意図を分析・比較することを提案した。 一方,日本の授業データのうち,授業者と学習者に対して授業後に実施した再生刺激インタビューのデータを分析した結果,授業において当事者が「重要な箇所」とみなす事象について,授業者と学習者との間で一致する場合と一致しない場合の両方が確認され,この意味で授業の「構造」(分節とその連関)の知覚に違いがあることが明らかになった。この結果は,授業収録・分析において学習者の観点が欠かせないことを示すものである。 主として以上のような分析結果を踏まえ,数学科における指導のための指針として,授業の相に応じた柔軟な授業設計と,固定化されがちな授業構造を反省的にとらえながら授業を設計・実施することの必要性を提案した。また,教員養成カリキュラムにおいても,学習者の観点を視野に入れた授業構想および授業分析の活動を取り入れることの重要性を指摘した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshinori Shimizu: "Discussing Multiple Solutions to a Problem : A Japanese Perspective on the TIMSS Videotape Classroom Study."The Mathematics Educator. Monograph Number One. 76-84 (2003)
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[Publications] 清水美憲: "数学科授業の展開にみられる構造的特徴に関する国際比較"第36回数学教育論文発表会論文集(日本数学教育学会). 557-562 (2003)
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[Publications] 清水美憲: "日豪両国における数学科授業の構造の比較"日本科学教育学会年会論文集. 27. 143-146 (2003)
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[Publications] 清水美憲: "世界7ヶ国の比較から浮かび上がる日本の数学科授業の特徴:TIMSS 1999ビデオスタディの知見から"教育科学数学教育. 44巻10号. 99-103 (2003)